<ホストクラブ問題>「女のヒモ」にも種類がある

 風俗の女に金を貢がせる、「ヒモ」には二つのタイプがある。

     * 

 一つはもちろん、「散財型」である。
 女にたかった金を、湯水のように使う。

 あるいはギャンブルにつぎ込む。あるいは派手に着飾って、高級車で遊びまわる。
 他の女に手を出す、裏切りもある。

 金がいくらあっても足りない。
 女の子は出勤が増え、毎日働きづめになる。

 やがて面やつれして、不幸の影が差す。
 女から金だけでなく、命までも搾り取る。悪魔のような人種である。

     *

 一方、「ぐうたら型」のヒモもいる。

 仕事もせずに、女に養ってもらっている。その点では、前者と変わらない。
 だがこちらの場合、単に働きたくないというだけで、特別金を使うわけではない。
 ただ家でゲームなどをして、ぶらぶらしている。あるいは立派に「主夫」をこなすやつもいる。

 まあ「ニート」や「ヒッキー」(注)みたいなもんだ。
 ただ自分の親の代わりに、女にぶら下がっているというわけだ。

 こちらのヒモが付くと、逆に女の子の出勤が減る。
 朝、目がさめると、「今日は仕事なんてしなくていいよ。一緒にディズニーランド行こうよ」と甘えたりする。
 女の子も、もー、しかたないのねえ、と一緒になって笑いながら、店に欠勤の電話を入れる。
 そんなほのぼのとした光景が、繰り広げられる。

 まるで子供の面倒を見ているような気持ちになって、母性本能をくすぐる。
 昔から「髪結いの亭主」と呼ばれているのは、たぶんおおかたがこれである。
 赤ちゃんの世話を、不幸と思う母親はいない。
 ちょうどそれと同じように、ヒモ男がかえって女の生き甲斐となり、活力となる。

     *

 かくしてヒモは女にとって、呪いともなり、幸福の源泉ともなる。

 前者は唾棄すべき、忌まわしい存在であるが、女はしはしばその陥穽に堕ちる。
 後者だってわざわざ歓迎はしないが、思わず頭を撫でてやりたい気持ちになる。

 もちろん、同性の評価は逆である。
 同性の男から見れば、前者の颯爽としたジゴロこそ羨望の的であり、後者のクズ男は、あまり身を落としたくないタイプである。

     *

 てなわけで最後に、お下劣なジョークを一つ。  

――女のヒモになったと言うから、うらやましく思ったら、タンポンのヒモだった。……

コメント

タイトルとURLをコピーしました