(話は前回から続く)
昔からピルになじんでいる娘たちは、NSに抵抗がない――
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避妊はともかく、「病気」の方の心配があるだろうって?
もちろん、その通りである。
梅毒、淋病、クラミジア……と、ずらりと病名が並ぶ。
いまだに治療薬の見つからないHIVの幻影もあって、業界歴の長いプロの風俗嬢が、NSに二の足を踏むのはそれゆえなのだ。
だがしかし、しろうと娘の方はと言うと、そのあたりの事情にめっぽう疎い。
学校の性教育なんて、思わせぶりなことを言うだけで 肝心なことは教えてくれない。
もちろん性病という言葉では知っていても、体感としてイメージできていない。
経営者の方も、そんな彼女たちの無知につけこむ。
病気なんて、普通は大丈夫だよ。ウチの店で、なった子なんていないよ。交通事故みたいなもんだよ。
と、口八丁にいい加減なことを言う。
しろうと娘の方も、みんな性格が素直なのか、頭が悪いのか。そうですよね、交通事故ですよね、とあっさり丸め込まれてしまう。
同じNS店でも、プロを売りにする店は、性病検査をしっかりやる。
月に一度とか、二度とか、検査結果を提出させる。ウチの店では安心して遊べますよ、と客にアピールするためだ。
だがしろうと専門店では、検査義務を課さなない。
検査をするということは、病気の心配があるということだから、「交通事故だ」という前言と矛盾してしまうからだ。
病気の話題などには極力触れないようにして、しろうと娘が怖がって逃げ出さないように、なあなあで運営していく。
まあ、万一女の子が病気になろうが、客が病気になろうが、売り上げが上がりさえすればいい。結局店は、知ったこっちゃないわけだ。
それに実際、病気には案外ならない。生でやったらやったで、結構だいじょうぶなもなのなのだ(笑)
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無知につけこむと言えば、金額についてもそうだ。
事情通のプロの女なら、だいだいの相場というのを知っている。
このサービスならいくら、このサービスならいくら、という業界の常識がある。料金体系みたいなもんだ。
同じ時間、同じ女の子の場合、NSならスキン着用の2倍はもらわなければ割に合わない。
着用店で一時間1.5万の自分なら、NS店に移籍すれば3万は吹っ掛ける。
ところがしろうと娘の場合は、ついこの間まで、時給1200円のコンビニで働いていた女だ。
それが1.5万になっただけで、もう舞い上がってしまい、それ以上を望もうなんていう発想がない。
そもそもが、S着店とNS店の区別があることすら、知らないやつも多いのだ。
そういうもんだと思っていた。ソープランドと言えば、どこも純生でやると勘違いしていた、と後に告白する子もいるくらいだ。
それどころではない。風俗はソープランドだけではない。本番行為のない、もっとソフトなものがある、ということも知らない。
他にも選択肢がある、という知識がそもそもないから、まっすぐここに飛び込んできた。
何にも知らないわけだから、NS本番のソープランドに、本当にうぶなしろうと娘が迷い込んできたとしても、別段そんなに不思議はないのだ。
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ついでに言うなら、さらにおいしい話もある。
相場を知らないと言えば、容姿についてもそうなのだ。
この容姿なら、このランクの店でこの値段、という見当がまったくついていない。
ということはだ。
本来ならS着で10万円払う超高級店にいるはずの、芸能人レベルの女が。しろうとの無知ゆえにNS3万の店に紛れ込んでいる――そんな奇跡だって、少なくとも理論的には十分にありうるわけだ。
そんないい所が、一体どこにあるのか? 店の名前を教えろって?
残念ながら、知人は肝心なことは、いつでも教えてくれない。
あとは自分で、足を棒にして探すしかない。エリアのヒントもくれなかったから、日本中をひたすら探し回る。
それからあくまでも、「棒にする」ところは足なので。
他の所を棒にしちゃうと、探すのにとっても難儀してしまうからね(笑)
(参考過去投稿)
「売春のススメ」
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