先日北大生が、クマに襲われて亡くなった。(注)
同様の死者は、今年だけでもうすでに5名に達している。
クマとはかくもおそろしい、野獣なのである。
学生の場合は登山中で、クマの生息地に足を踏み入れてしまった。不幸な事故とも言える。
一方で、事故ではすまされないケースが増えている。
クマの方が人間の集落に現れて、人を襲っているのである。
秋田県では、毎日いたるところにクマが出る。東京の町田市でも目撃情報があった。
何でもエサとなる森のドングリが大凶作で、人里に降りてくるという。
集落に植えられたクリや柿の実を食べるうちに、人家に入って食べ物をあさることを覚えたらしい。
そのときに人と遭遇すれば、襲い掛かる。何百人という、人身被害が出ているらしい。
当然自治体は、対策に乗り出す。
だが駆除を始めたとたんに、抗議の電話が殺到するという。
「クマを殺さないで」「かわいそう」と、電話口で号泣する人もいて、役所はもはや仕事にならない状態だというのだ。(注)
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バカかよ。
この手のことが起きるたびに、こうやって動物愛護とか言って、ヒステリーを起こすヤツが出てくる。
そういうお前らは、肉を食ってないのか?
お前らの皿のステーキは、レストランのシェフが、こさえたものじゃない。屠殺場で牛を叩き殺して、剥ぎ取った肉なんだよ。
そっちの方がよっぽど、動物虐待だろう。
クマを守りたいのなら、まず完全ベジタリアンになってから、そのあとに出直して来いよ。
何なら駆除したクマの肉を食って、代わりに牛を一頭、助けてやったらいい。
そうすればヒンドゥー教徒が、さぞかし喜ぶだろう。
そもそも本来自然の世界において、生き物たちはけっして他の「種」のことを、思いやったりはしない。
そんなものは彼らにとって、ただの餌食でしかない。あるいはお互いに縄張りを侵し合う、ライバルでしかない。
もし万一犬と猿とが、仲良く暮らすようなことがあるとすれば。それは少しも食い物に困らず、利害がぶつかることもない、奇跡のような状況でだけなのだ。
人間が動物を、利用できるだけ利用する。害獣なら駆除する。それは当たり前の、あるべき姿であって、なんにも問題なんてありはしない。
クマを守れとほざいているヤツらは、蚊取り線香焚いてないか? ゴキブリホイホイ仕掛けてないか? 邪魔者はちゃんと、除去してるじゃないか。
クマには罪はない、なんて言うけれど、ゴキブリにだって罪はないはずだ。
病気になれば抗生物質で、菌を殺すだろう。結核菌に対する虐待だろう。
草むしりと称して、雑草を引っこ抜くだろう。
ベジタリアンだって、人間の勝手なエゴで、植物の命を奪ってるんだよ。
それのどこが、いけないんだ?
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頭の悪い人間は、目の前に現に見えるもの以外には、思いを致すことができない。
彼らが舌つづみを打つ、A5のヒレ肉ステーキの向こうには、屠殺場の食肉処理の現実がある。
そのことを、少しも想像できない。
彼らは本物の、野生のクマの実態を知っていない。見えているのはただ、彼らのお部屋に飾ってある、クマのぬいぐるみだけなのだ。
動物愛護なんて言っているヤツは、くまのプーさんをいじめないでと、わめていてる幼稚園児と変わらない。
パンダがあれほど人気があるのも、ただその姿が一番、ぬいぐるみに似ているからだ。
「ほら見て、ぬいぐるみが動いているわ」というので、ひたすら可愛がっているだけなのだ。
野生のパンダの現実なんて、初めから誰にも、わかっちゃいないわけだ。
あの例の、セレブ気取りの婆さんタレントが、ブログに書いたそうだ。(注)
――アメリカではクマを麻酔銃で捕獲し、沢山の果物などの食べ物を付けて山に帰してあげます。……
わかってないねえ。
ただっ広いアメリカの国土と、箱庭のような日本では、事情が違う。生物の生息の密度が、比べ物にならないのだ。
それなのにあの婆さんは、これもまた脳細胞の数の不足のために、そんな異体の国の有様に、思いを馳せることができない。
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遠い昔、
――世の中、バカが多くて疲れません?
というCMがあった。(注)
名作だと思ったが、自分のことを言われていると、薄々気が付いた世間のバカどもが猛抗議して、お蔵入りになってしまった。
桃井かおり(主演)に、つくづく同感である。
あんなすてきなCMを、もう二度と見ることができないのが、返す返すも残念でならない(笑)――
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次回に補足の追記があります。
まだ呆れていない人は、読んでやってください(笑)
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