<クマ駆除問題>くまのプーさんを殺さないで 

 先日北大生が、クマに襲われて亡くなった。(注)
 同様の死者は、今年だけでもうすでに5名に達している。
 クマとはかくもおそろしい、野獣なのである。

 学生の場合は登山中で、クマの生息地に足を踏み入れてしまった。不幸な事故とも言える。 
 一方で、事故ではすまされないケースが増えている。
 クマの方が人間の集落に現れて、人を襲っているのである。
 秋田県では、毎日いたるところにクマが出る。東京の町田市でも目撃情報があった。

 何でもエサとなる森のドングリが大凶作で、人里に降りてくるという。
 集落に植えられたクリや柿の実を食べるうちに、人家に入って食べ物をあさることを覚えたらしい。
 そのときに人と遭遇すれば、襲い掛かる。何百人という、人身被害が出ているらしい。

 当然自治体は、対策に乗り出す。
 だが駆除を始めたとたんに、抗議の電話が殺到するという。
「クマを殺さないで」「かわいそう」と、電話口で号泣する人もいて、役所はもはや仕事にならない状態だというのだ。(注)

     *

 バカかよ。
 この手のことが起きるたびに、こうやって動物愛護とか言って、ヒステリーを起こすヤツが出てくる。
 そういうお前らは、肉を食ってないのか? 
 お前らの皿のステーキは、レストランのシェフが、こさえたものじゃない。屠殺場で牛を叩き殺して、剥ぎ取った肉なんだよ。
 そっちの方がよっぽど、動物虐待だろう。

 クマを守りたいのなら、まず完全ベジタリアンになってから、そのあとに出直して来いよ。
 何なら駆除したクマの肉を食って、代わりに牛を一頭、助けてやったらいい。
 そうすればヒンドゥー教徒が、さぞかし喜ぶだろう。

 そもそも本来自然の世界において、生き物たちはけっして他の「種」のことを、思いやったりはしない。
 そんなものは彼らにとって、ただの餌食でしかない。あるいはお互いに縄張りを侵し合う、ライバルでしかない。
 もし万一犬と猿とが、仲良く暮らすようなことがあるとすれば。それは少しも食い物に困らず、利害がぶつかることもない、奇跡のような状況でだけなのだ。

 人間が動物を、利用できるだけ利用する。害獣なら駆除する。それは当たり前の、あるべき姿であって、なんにも問題なんてありはしない。
 クマを守れとほざいているヤツらは、蚊取り線香焚いてないか? ゴキブリホイホイ仕掛けてないか? 邪魔者はちゃんと、除去してるじゃないか。
 クマには罪はない、なんて言うけれど、ゴキブリにだって罪はないはずだ。
 病気になれば抗生物質で、菌を殺すだろう。結核菌に対する虐待だろう。
 草むしりと称して、雑草を引っこ抜くだろう。
 ベジタリアンだって、人間の勝手なエゴで、植物の命を奪ってるんだよ。
 それのどこが、いけないんだ?

     *

 頭の悪い人間は、目の前に現に見えるもの以外には、思いを致すことができない。
 彼らが舌つづみを打つ、A5のヒレ肉ステーキの向こうには、屠殺場の食肉処理の現実がある。
 そのことを、少しも想像できない。

 彼らは本物の、野生のクマの実態を知っていない。見えているのはただ、彼らのお部屋に飾ってある、クマのぬいぐるみだけなのだ。
 動物愛護なんて言っているヤツは、くまのプーさんをいじめないでと、わめていてる幼稚園児と変わらない。
 パンダがあれほど人気があるのも、ただその姿が一番、ぬいぐるみに似ているからだ。
「ほら見て、ぬいぐるみが動いているわ」というので、ひたすら可愛がっているだけなのだ。
 野生のパンダの現実なんて、初めから誰にも、わかっちゃいないわけだ。

 あの例の、セレブ気取りの婆さんタレントが、ブログに書いたそうだ。(注)
――アメリカではクマを麻酔銃で捕獲し、沢山の果物などの食べ物を付けて山に帰してあげます。…… 
 わかってないねえ。
 ただっ広いアメリカの国土と、箱庭のような日本では、事情が違う。生物の生息の密度が、比べ物にならないのだ。
 それなのにあの婆さんは、これもまた脳細胞の数の不足のために、そんな異体の国の有様に、思いを馳せることができない。

     *

 遠い昔、
――世の中、バカが多くて疲れません?
というCMがあった。(注)

 名作だと思ったが、自分のことを言われていると、薄々気が付いた世間のバカどもが猛抗議して、お蔵入りになってしまった。

 桃井かおり(主演)に、つくづく同感である。
 あんなすてきなCMを、もう二度と見ることができないのが、返す返すも残念でならない(笑)――

     *

 次回に補足の追記があります。
 まだ呆れていない人は、読んでやってください(笑)

<参考過去投稿>
「動物虐待」とか言って、わめいているヤツら
 続・「動物虐待」とか言って、わめいているヤツら

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