スシローで悪ふざけ動画を作成した、高校生が書類送検されたらしい。
回っている寿司に指でツバをつけたり、備え付けの醤油差しの口をなめまわしたり、――というようなやりたい放題の悪乗りを自撮りして、動画を SNSにアップしたそうだ。
動機は言うまでもない。受け狙いである。
幼稚にはしゃげばはしゃぐほど、仲間内は盛り上がり、人気者になれるのだ。
テレビの俗悪バラエティの、影響もあるのかな。何とも嘆かわしく、低レベルの、昨今の世の中の風潮である。
こんな動画を目にしてしまった客たちは、もう店には来ないだろう。当該店舗だけでなく、スシロー全体の売り上げが危ぶまれた。
もちろん頭では、わかっている。こんな事故のようなことは、そうめったに起こるものではない。むしろ店側が警戒し、衛生管理も徹底するから、かえって安全なのだ。
しかし人間というものは、理性だけで行動するものではない。瞼に焼き付いた不衛生動画のイメージが、彼らの無意識を支配して、来店をためらわせる――そうした迷惑な事態が、想定されたのだ。
だがしかし、ふたを開けてみたら、危惧されたようなことはまったく起こらなかった。
それどころか逆に、何と当の岐阜正木店には、翌日から客が殺到したというのだ。
動機は言うまでもない。受け狙いである(笑)
今話題の店舗に来てますよ、というだけでもネタになる。入口の看板の前で、自撮りをしたりする。
中には「大丈夫です。なめてませんよ」みたいギャク動画を撮って、アップしたやつもいるんじゃないかな。
幼稚にはしゃげばはしゃぐほど、仲間内は盛り上がり、人気者になれるのだ(笑)
何のことはない。いつでも上には上がいる、ということさ。
すべては取り越し苦労に終わって、おかげでスシローは、かえって大繁盛。
よろこんでいいのか。笑うべきなのか、嘆くべきなのか。よくわからない結末だった。
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ちなみに、この迷惑動画が拡散する直前に、スシローの株を個人で20億円、空売りしていた人物がいるらしい。
スシローの株は直後に暴落した(後にすぐに回復)から、この人物の黒幕説すら流れている。
真偽のほどはわからないが、事件のおかげで、ぼろ儲けしたことだけは間違いない。
チクショー、てめえだけいい思いしやがって。
他人の幸運ほど――幸福ほど、腹立たしいものはない。
そんな人間の悲しい性は、私のような聖人聖者の場合にも、いささかも変わるものではないのだ(笑)
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