井上咲良というタレントが、ますます人気になっているようだ。
『新婚さんいらっしゃい』のMCにも起用されたらしいが、そういう俗悪な番組は見ない(笑)
自分の場合は、もっぱらNHK(Eテレ)の『サイエンスZERO』のナビゲーターとしてなじんでいる。
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前任者は小島瑠璃子(コジルリ)だった。
千葉の進学校出身の、聡明な子で、科学番組の看板にはうってつけの人材だった。
実際ここ以外にも、当局の教養番組で、よく顔を見かけたと記憶している。
そこに例の、泥沼愛欲事件が起こった。(注)奔放すぎる発言もあった。(注)
その割にネットリンチにあわなかったのも不思議だが、これでもうNHKにはいられないはずなのに、なかなかそうはならない。
国営放送も、ずいぶん太っ腹になったもんだと思ったが、やっぱり番組改編期に手入れが入った。
おそらくは永久追放で、もう二度と渋谷の放送局の、敷居をまたぐことはない。
何のことはない。途中降板というみっともない形だけは、取りたくなかっただけだ。
しょせんこのお堅いテレビ局は、イケナイ淫奔娘をそのまま放置しておくような、体質ではなかったわけだ(笑)
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それに比べて今度の井上咲良は、あまり賢そうには見えない。
どこかすっとぼけた、感じがする。
科学番組にはいかがなものか、という気もするが、意外とそうでもない。
「あまり出来のよくない生徒」のような設定で、あくまで聞き役に徹するなら、これが案外イケてたりするわけだ。
そのうえ、ずっと太眉にしていたこともあって、色気が前面に出ない。コジルリの轍は踏みそうにない。
若者代表でありながら、年配からも可愛がられる、まさにNHKキャラである。
何でも来年の、大河ドラマの出演も決まったらしい。さもありなんだ。
国営放送の寵愛を受けて、これからもますます若手のエースとして、登場の機会が増えるであろう。
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だがこの井上咲良には、一つだけ見過ごせない欠点がある。
「大きい」のことを、「おっきい」と発音するのだ。
もちろん若い世代の女の子としては、ありがちな訛音なのにちがいない。だが科学教養番組の中で聞かされると、けっこう違和感がある。
そのうえ自分には、ずいぶん奇妙な偏見がある。
あくまでも個人の感想だが、「おっきい」は公式には、もっぱら男性器のサイズを表すときに、用いられる語彙なのだ(ホンマカイナ……)。
何でそんな、おかしな印象を抱くようになったのか、自分でもわからない。
ひょっとしたら、若き日の夜伽の相手に、そういう口癖の女でもいたのであろうか。
あんまり遠い昔なので、もうすっかり忘れてしまった(笑)
いずれにしても、『サイエンスZERO』で「おっきい」を連発する、井上咲良を見るたびに。
へえ、この子がねえ、とまじまじとその顔を眺めてしまうのだ。――
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井上咲良だけではない。
街の雑踏を歩いていて、どこからかふと、「おっきい」の声が聞こえてくると。
ついつい「オレのことか?」と、 思わず振り返ってしまう自分って、一体何者なんだろう?(笑)
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<追記>
井上咲良の「太眉」で思い出した。
岸本加世子という女優がいる。
もう結構な年齢となったが、若いころ先輩女優から、こうアドバイスされたそうだ。
――処女のふりをするつもりなら、眉を剃るのはおやめなさい。……
教えを守った岸本は、若い時代を太眉で通し、(注)まんまと世間をだましおおせた。
なるほど、言い得て妙な忠告だと思う。――
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