「おっきい」のが好きな井上咲良 

 井上咲良というタレントが、ますます人気になっているようだ。

 『新婚さんいらっしゃい』のMCにも起用されたらしいが、そういう俗悪な番組は見ない(笑)

 自分の場合は、もっぱらNHK(Eテレ)の『サイエンスZERO』のナビゲーターとしてなじんでいる。

     *

 前任者は小島瑠璃子(コジルリ)だった。
 千葉の進学校出身の、聡明な子で、科学番組の看板にはうってつけの人材だった。
 実際ここ以外にも、当局の教養番組で、よく顔を見かけたと記憶している。

 そこに例の、泥沼愛欲事件が起こった。(注)奔放すぎる発言もあった。(注)
 その割にネットリンチにあわなかったのも不思議だが、これでもうNHKにはいられないはずなのに、なかなかそうはならない。

 国営放送も、ずいぶん太っ腹になったもんだと思ったが、やっぱり番組改編期に手入れが入った。
 おそらくは永久追放で、もう二度と渋谷の放送局の、敷居をまたぐことはない。
 何のことはない。途中降板というみっともない形だけは、取りたくなかっただけだ。
 しょせんこのお堅いテレビ局は、イケナイ淫奔娘をそのまま放置しておくような、体質ではなかったわけだ(笑)

     *

 それに比べて今度の井上咲良は、あまり賢そうには見えない。
 どこかすっとぼけた、感じがする。
 科学番組にはいかがなものか、という気もするが、意外とそうでもない。

「あまり出来のよくない生徒」のような設定で、あくまで聞き役に徹するなら、これが案外イケてたりするわけだ。
 そのうえ、ずっと太眉にしていたこともあって、色気が前面に出ない。コジルリの轍は踏みそうにない。

 若者代表でありながら、年配からも可愛がられる、まさにNHKキャラである。
 何でも来年の、大河ドラマの出演も決まったらしい。さもありなんだ。
 国営放送の寵愛を受けて、これからもますます若手のエースとして、登場の機会が増えるであろう。

     *

 だがこの井上咲良には、一つだけ見過ごせない欠点がある。
「大きい」のことを、「おっきい」と発音するのだ。

 もちろん若い世代の女の子としては、ありがちな訛音なのにちがいない。だが科学教養番組の中で聞かされると、けっこう違和感がある。

 そのうえ自分には、ずいぶん奇妙な偏見がある。
 あくまでも個人の感想だが、「おっきい」は公式には、もっぱら男性器のサイズを表すときに、用いられる語彙なのだ(ホンマカイナ……)。

 何でそんな、おかしな印象を抱くようになったのか、自分でもわからない。
 ひょっとしたら、若き日の夜伽の相手に、そういう口癖の女でもいたのであろうか。
 あんまり遠い昔なので、もうすっかり忘れてしまった(笑)

 いずれにしても、『サイエンスZERO』で「おっきい」を連発する、井上咲良を見るたびに。
 へえ、この子がねえ、とまじまじとその顔を眺めてしまうのだ。――

     *

 井上咲良だけではない。

 街の雑踏を歩いていて、どこからかふと、「おっきい」の声が聞こえてくると。

 ついつい「オレのことか?」と、 思わず振り返ってしまう自分って、一体何者なんだろう?(笑)

     *

 <追記>

 井上咲良の「太眉」で思い出した。
 岸本加世子という女優がいる。
 もう結構な年齢となったが、若いころ先輩女優から、こうアドバイスされたそうだ。

――処女のふりをするつもりなら、眉を剃るのはおやめなさい。……

 教えを守った岸本は、若い時代を太眉で通し、(注)まんまと世間をだましおおせた。

 なるほど、言い得て妙な忠告だと思う。――

コメント

タイトルとURLをコピーしました