明治神宮をありがたがる馬鹿

 神社というと何でもかんでも、ありがたがるやつがいるけど、違うと思う。

 確かに、長い歴史のある古寂びた神社なら、それもかまわない。
 住所が特定されるといけないから、名前は伏せるが、自分の近隣の神社などは西暦111年の創建だという。

 大化の改新よりはるか前だ。日本史の教科書では、まだ弥生時代になっている(笑)
 それどころか、まだ縄文の香りすら残る樹林の中に建つその佇まいは、いかにも「神がまします」という感じがする。

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 だがしかしごく最近に造られた、急ごしらえみたいな神社には、まちがっても崇美なんかない。

 初詣のメッカと言えば、明治神宮だ。
 あんまり悪口を言うと、右翼に刺されてしまうけど、あそこなんて大正時代になって造られた。崩御された明治天皇と、皇后をまつるためだ。
 当然、御祭神は明治天皇だ。

 天皇は神だと考える、そういうメンタリティーの持ち主ならともかくも。あまりそうでもない連中が、ありがたがってお賽銭なんか上げてるのは、見識不足だと思うよ
 明治天皇がお前の願いなんか、かなえてくれるわけねーだろ。馬鹿じゃねえの。

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 最悪なのは飯田橋にある、「東京大神宮」だ。
 現在のものができたのは、実に昭和3年だ。

 神社側の能書きでは、元々伊勢神宮の遥拝殿だったという。もっともらしい話だが、世間はそうは受け止めてはいない。
 神前結婚発祥の地として、もっぱら縁結びと恋愛成就の神として、もてはやされているわけだ。

 いわゆるパワースポットに、自らを擬して。
 頭が悪くて迷信深い女の子たちから、金をちゃっかり巻き上げる。神社ビジネス大繁盛なのだ。

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 話は変わるが、パワースポットのビジネスと言えば、鉄道の駅名がそうだ。
 廃止寸前の山奥の駅を、「恋山形駅」と改名したとたんに、お守り代わりに切符が飛ぶように売れた。それで収益が確保できた。(注)

 同じように「愛国駅」や「幸福駅」は、恋人たちの聖地となる。
 愛国駅から幸福駅行きの切符を買うのが、大ブームになったそうだ。(注)

 その話を聞いて、自分のような古い人間は、頭の中が「?」になった。
「幸福駅」の方はまだわかる。だがなんで、「愛国駅」なんだ?
 愛国者と恋人たちに、一体何の関係があるというのか?
 と思ったら、「愛国」は「国を愛する」のではない。「愛の国」のことだと、考えるんだそうだ(笑)

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 それこそ、右翼が聞いたら怒るで。

 絶対に、刺されると思う(笑)

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