<トンデモ教師>死にたいと 書いた日記に 花マルが

 ネットニュースで読んだ。(注)

 どこかの小学校では、生徒に「自学ノート」なるものを、提出させていた。
 そこに日頃の悩みなどを書きつける。いわゆる先生との「交換日記」、「交換ノート」のようなものだろう。

 そのノートにある女子が、
「私は死ねばいいのに」と、自殺をほのめかす言葉を記した。
 日頃から、同級生にいじめを受けていた生徒だったのだ。
 その書き込みに対して担任は、大きな花マルをつけて返却したという。

 何という、とんでもない教師であろう。
 子どもの悩みに寄り添うのが先生のつとめなのに、逆なでするような対応をするなんて――というので、非難轟々なわけだ。

 だがしかし、――

     *

 その先生はきっと、日記をちゃんと、よく読んでいなかったんだと思う。
 生徒たちの提出物に、先生がいちいち丁寧に、目を通しているとはかぎらない。
 そんなふうに期待するとしたら、あまりにも現実を知らなすぎる。おめでたいとしか言いようがない。

 ご承知の通り、教員の仕事は超過密だ。いつも過労死寸前の状態で働いている。そこまでの、時間なんてないのだ。
 自分にも中高の教員の知人がいるが、その手のものはただ「閲覧済み」のスタンプを、ペタペタ押すだけで返却していると言う。
 小学校ではスタンプというわけにもいかないから、代わりに機械的に花丸をつけて、返していたんだと思う。
 ”You can do it” という、コメントもあったという。だがそれも、おそらく生徒全員に、同じセリフを書いてよこしていたんだろう。

 だがまさか「読まずに返却してました」と、正直に打ち明けるわけにはいかない。
 そんなことをしたら、教え子全員が、これまでのあれは何だったんだ、ということになる。
 だから必死に、苦しい言い訳をしている。「あれは励ましのつもりだった」とかなんとか。

     *

 もちろん女生徒が受けたショックは、想像に難くない。

 だが教師の方としてみれば、ただ手抜きしていただけなのに(笑)、極悪人みたいに言われてしまった。 

 別に庇い立てをするわけじゃないけど、 少なくとも当人はとんだ災難だと思って、舌打ちしているはずだよ。
 たぶんね(笑)

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