けっこう忘れている人も多いと思うけど、メールって、届かないこともある。
自分にも過去に3件、そういうことがあった。気づいただけでだから、実際は氷山の一角じゃないかな。
メールサーバーから deliveryfailiure(送信失敗)通知が、来た場合は別だよ。そんな例は、枚挙にいとまがない。
何の通知も来ないので、てっきり届いていると思っていたケースが3つ。
1通だけとか、一時的とかいうのではない。特定の相手と、継続的に。あちらからのメールはこちらに届くが、こちらから送ったものは相手に届かない、という状態がずっと続いていた。
相手の方の設定に、問題があるのかもしれないが、原因は結局不明のままだった。
そのうち2例は、法人相手。こちらからの連絡は、すべて電話で代替。仕事のデータはUSBに入れて、いちいち持参しなくてはならず、不便で仕方なかった。
もう一つは、女性関係(笑)
20年くらい前のことだが、まだ発展家だった自分は、知り合ったばかりの女性と、いっちょまえにメルアド交換をした。
珍しく、相手もまんざらではなかったらしく、積極的な誘いのメールが送られてきた。
当然こちらも鼻の下を伸ばして、いそいそと返信をしたのだが、その返信が相手に届かないらしい。
女性から、
「どうして何度メールしても、お返事いただけないの? 悲しいです。さぴしいてす」
みたいな文言が届いたきり、関係は終わってしまった。
初対面だったので、メルアド以外の連絡先は交換していなかった。なすすべもなかったのである。
*
けっこういい女だったんだよ。もったいないことをした。
あの段階ではもちろん、ただの遊びの気持ちだったかもしれない。ゲットできなかった女の子、というだけの話だったけど、その後はどう進展したか、わからないじゃないか。
ひょっとしたらその先大恋愛に発展して、それこそ生涯の伴侶に収まった可能性だって、ないわけじゃない。
たかがメールシステムの不具合くらいで、そんな甘いロマンスがふいになったとしたら、ずいぶん罪な話じゃないか。
自分の利用しているヤフーメールだけが、しょぼいのだろうか?
そんなこともないだろうから、他のものでも同じじゃないの。
メールだけではない。ラインとかの新手のやつでも。気づいていないだけで、メッセージが届いていないことも、けっこうあるかもしれないよ。
大事な人だと思うなら、複数の連絡先を持っておくことだ。ラインだけでつながっている、みたいな状態は、あまりにも危なっかしい。
何かがおかしいと思ったら、メッセージが届いていないのかもと、考えてみる。
早とちりしないで、アクシデントの可能性を思い出して、対処した方がいい。人間関係がこじれて、消滅してしまう前に。
テクニカルなトラブルごときで、泣くに泣けない悲劇を、招いたりしないように。
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その昔のメールには、「開封確認の要求」みたいな、機能があった。
自分が送ったメールを相手が開いたら、返信を書かなくても半自動的に、開封済みの通知がこちらに返ってくる。
とっても理にかなった、便利なシステムだったから、積極的に利用していた。
ところがいつのまにか、「正しいメールの作法」みたいな、馬鹿なマナー本が出現した。
まあこの場合は、本ではなくてサイトなのだが、そこが「開封確認の要求はマナー違反です」とかやらかした。
ネットでデマが広がるように、インチキマナーもだんだん蔓延して、いつのまにかこの機能は姿を消してしまったようだ。
相手がメールを開かないような、ずぼらな人間だと決めつけているようで、失礼だ――たぶんそんなふうに、思われたんだろう。
だがこちらが心配しているのは、相手の人格ではない。メールの不達、システムの不具合を懸念しているんだ。
あんなマナー本を書いた連中は、きっとそこのあたりがわかっていない。メールは送ったら必ず届くものと、健やかに信じきっている。俺が「馬鹿」だと言ったのは、そのあたりの無知のことなんだ。
だがしかし、馬鹿どもが何を言おうと、必要なものは必要だ。よいものはよい。
絶滅したはずのこの機能も、ちゃんと形を変えて、存続を続けている。
ラインでも、既読(注)をつけるシステムがあるだろう。Gメールには、三択をクリックするだけの、半自動返信がある。
これって開封確認と、どう違うの?
くだらないマナー本を書いたそこのあなた、ちゃんと論理的に、答えてみろよ。
反論できやしないだろう。ざまあみやがれ、クソ野郎(笑)
(注)最近は「既読スルーはけしからん」なんていう、得体の知れない新しい「マナー」が作られて、わけのわからないことになっているようだ。
まったくもっと、浜の真砂は尽きるとも、ってやつだ。
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