カッターナイフで人を殺す 

 だいぶ前になるが、池袋のラブホテルで、女がパパ活相手を殺した事件があった。(参考

 男の年齢(82才)も驚きだが、何より衝撃だったのは、凶器がカッターナイフと報じられたことだ。
 カッターナイフって何だ? まさかあの、カッターのことか? 小学校の図工の時間に買わされた?

 あんなもので、一体人が殺せるのか?
 自供によれば、「料金のことでもめてカッとなった」とのことだが、そもそも女の細腕で?

     *

 たがしかし私のような、想像力豊かな詩人には、状況が手に取るようにわかるのだ。

 「もめた」と言ったって、取っ組み合ったわけではない。それでは男を、殺せはしない。
 殺意を抱いた女は、得意のだまし討ち作戦に出たのだ。

 さも金額に承知したようなふりをして、プレイを開始した。サービスの一環として、ベッドで寝そべる男の股間に、「口を持っていく」ふりをしてうずくまる。そして、――  

     *

 カッターでは刺せはしない。切り刻むこともできない。
 ただ切れ目を、入れるだけだ。

 ただ切れ目を入れるだけで、人が死ぬ部位が2つある。首筋(頸動脈)と、太もも(大腿動脈)   だ。
 いずれも噴水のように血が噴き出して、1分もすれば失血死だ。 

 もちろんそんな急所を、黙って狙わせる間抜けはいない。
 だがしかし、安心しきっている相手の油断をつけば、それも可能なのだ。
 理想を言えば、寝込んでいるときが一番だ。
 昔から「寝首をかく」と言うだろう。別段、首をはねなくてもいい。頸動脈を切断するだけで、「女でも」「ちゃちなカッターでも」、簡単に絶命させることができる。   

 もちろんパパ活の最中に、寝込んでしまう男はいないから、首は狙えない。
 その代わりに女は、「サービスの一環として口を持っていく」ふりをして、まるで女忍者くのいちのように男の股間に、――大腿部に忍び寄ったのだ。
 そして、――

     *

 それがおそらく、真相のすべてである。

 このやり口さえ押さえておけば、「女でも」「ちゃちなカッターでも」、いけ好かぬ男を簡単に葬ることができる。

 覚えておくととっても便利な、お役立ち情報である。

       <参考過去投稿:「人を殺しちゃったあとの死体処理」

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