40年来ずっと、笑点の大喜利を見てきた。(おっと歳がばれてしまう)
昔はさすが笑いのプロだと、うならせる解答が聞けたものだ。
だが今では、見るも無残なていたらく。
仲良しファミリーがただわいわいと、じゃれあっているだけの低俗な、バラエティー番組に堕してしまった。
だいたいあの「何かあったのか劇場」とか、やってるやつは何者なんだ。
毎回毎回ワンパターンで、しつこいんだよ。そのうえやたらと尺が長いだろ。
仲間同志で、イジリあっては笑いを取る。そんなのは大学生の、コンパのレベルだろう。
和気あいあいの、内輪ネタで盛り上がる。確かにそれでも、外野はつられて笑うだろう。
だがそんなものは、到底金をもらって、客に聞かせる代物ではない
もっとも、あの番組の公開収録は観覧無料なのだが、いったん高座に上がればあいつらだって全員、金を取る笑いのプロだろう。
少しはプライドがないのか?
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あのメンバーの中に、高座でまともに落語ができるやつなんて、一人もいやしない。
みんなコネやら人脈やらで引っ張られて、入ってきただけの連中だ。
それでも毎週地上波に乗るもんだから、事情を知らない一般人には、落語界の代表であるかのように勘違いされている。
いったんレギュラーになったら永久就職、もう大丈夫、安泰だと安心しきって、はしゃいでいるのが鼻につく。
いっそ固定メンバーなどやめて、20人くらいの準レギュラーばかりにする。そしてタームごとに、メンバーを入れ替える。
そうすれば、なあなあばかりの仲良しごっとは違う、もっと緊張感も出てくるだろう。
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もっともこんな高齢者の提案なんて、誰も耳を貸しはしない。
50を越えたおっさんが、どんなに番組を聞いてくれても、スポンサーの商品の購買には結びつかないからだ。
彼らが相手にしているのは、ただ消費意欲の高いコア層(13才~49才)だけなのだ。
もちろんそれはそれで、もっともなことだ。
だがそれでも、ふと疑問に思わずにはいない。
その肝心な若者たちは、本当にこんな低劣な笑いが好きなのか?
彼らだって馬鹿ではないのだ。きっとアホなテレビ番組なんかに早々に見切りをつけて、もっと別のメディアの方に移っていくだろう。
そうなれば、あれほど欲しかったコア層の視聴率が、みるみる下がっていく。
そのとき度し難いテレビマンたちは、きっとこう反省するのだ。
「まだまだ若者らしさが、足りないのだ。もっともっと若者たちに寄せて、媚びなくては」
かくして緊急の、入れ替えが行われる。
誰かさらにもう何人か、林家たい平のようなうるさいだけの、三流の落語家がやってきて、新たにメンバーになったとさ。
めでたし、めでたし。
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