村上宗隆 記録の値打ち

 またまたとんでもない選手が現れたものである。
 村上宗隆だ。
 
 何がすごいって、すべてがすごいのだが、とりわけその本塁打だ。本数そのものよりも、2位以下とつけた差がすさまじいのだ。
 村上宗隆 (ヤクルト) 56本
 岡本和真 (巨人)   30本
 丸佳浩  (巨人)   27本
というわけだから、本塁打の出にくい時代にぶっちぎりで、他を寄せ付けずに打ちまくったのだ。

 かつてはそうでない時代があった。
 ホームランこそが野球の花とされ、ファンを沸かせ、観客を呼び込むために、ことさらに打高投低が演出された。
 箱庭のような狭い球場で ピンポン玉のような飛ぶボールで、 ホームランが量産されたのだ。
 あんまりしゃべると暗殺られてしまうから黙っているけど(笑)、ある球場などはあまりの狭さに、実測値をだいぶ水増しして公称していたが、その数値でさえ現在の主力球場よりも、両翼10メートルも短かったのだ。

 だが今はそうではない。
 いろんな意味で大リーグが意識されるようになり、日本の中だけの客寄せの、見世物興行的な野球から、すべての点で本格的な仕様に切り替えられていった。
 はてしなく広い球場と、鉛のように重たいボールと――並みの四番打者では30本打つのがやっというその時代に、倍に近い本数を叩き出した。何よりそこがすごいのだ。

 大谷翔平といい何といい 本当に後生恐るべしである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました