脱毛文化論

 最近、脱毛が大流行である。
 女はもちろん男たちまで、猫も杓子もツルツルらしい。

 先日は朝日新聞までが、特集を組んでいた。
 識者と称する面々が、この社会現象の意味やら背景やらを、おのおのに論じていた。 

 本当にそんなに、大げさなことなのかね?
 自分に言わせれば、ただ脱毛業界の洗脳戦略が、功を奏しただけに思えるのだが。
 確かにそうして、あれこれ能書きを垂れるのが 彼らの仕事だから仕方がないか。
  クリスマスに、イチゴの乗ったケーキを食べるのも。バレンタインに、女がチョコレートを贈るのも――あいつらの手にかかったら、みんな意味深な時代の象徴と化してしまう。

 ま、どうでもいいけど。

     *

 近頃の女たちは、股間もツルツルらしい。

 何でも若い娘に言わせれば、水着からはみださない、というばかりではない。生理の時にも、経血が毛に付いたりしないから、清潔でいいという。
 なるほど、さもありなん。
 年配の女性に言わせれば、いざ介護されるというときに、恥をかかなくてすむそうだ。
 ほんまかいな(笑)

     *

 一昔前――少なくとも20年くらい前までは、まだ大和撫子は下半身にも、緑の黒髪をなびかせていた。
 一方、何事にも先を行くアメリカでは、腋毛に続いて股間の脱毛までが、すでに当たり前になっていた。

 そんな日米対比は、ポルノビデオの種別にも及んでいた。
 わが国では、アダルトビデオの商品棚には、「パイパン」のコーナーがあった。
 珍しく毛のないがいますので、ここにまとめておきます。マニアの方はぜひとも、この棚からお選びください――というわけだ。
 当然その前提として、それ以外の普通の娘たちには、ちゃんと毛が揃っていたわけだ。
 だが一方、ちょうどそのころアメリカの方では、”hairy” というジャンルがあったのだ!
 つまりは、珍しく毛のある娘がいますので、――というわけである。

 しかるに近頃では、大和撫子もこぞってツルツルだ。
 わが国でも「パイパン」の枠が、「毛もじゃ」に取って代わられる日が、きっと早晩来るにちがいない。

 世も末でんがな。
 スエーデン(笑)

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