*「不条理」
女子校の持ち物検査で、ある生徒の鞄から避妊具が見つけられた。
「お前は男にやらせてるな」そう叱りながら生活指導の教師が、ゴツンと一発、拳骨を食らわせたのは言うまでもない。
さてその次に調べた生徒の鞄からは、もちろん避妊具は出てこなかった。
だがしかし、それを知った教師は、
「お前は生でやらせてるな」と叱りながら、やはりゴツンと一発、拳骨を食らわせたという。……
*「日本の在来犬」
1.土佐犬 2.秋田犬 3.バター犬
何でも一部の女性たちは、陰部に塗ったバターを飼い犬になめさせて、快感を得る。――いわば自慰行為の一種なのだが、そのようにしつけられた犬のことを、「バター犬」と呼ぶらしい。
はたして実際に、そんな行為が行われているものなのか。
あるいは単に男たちの妄想が、作り出した都市伝説にすぎないのか。
寡聞にして知らない。
*「無償の愛」
若者たちに「無償の愛」を説く者がいる。
カップ酒片手の酔っ払いが、通りすがりの女子高生に、
「ただでやらせろ、この野郎」とからんでいる。――
*「トルコ風呂」
年配の方ならご記憶だろう。
今では「ソープランド」と通称される、個室サウナ型の風俗のことを、かつて「トルコ風呂」と呼びなしていた時代があった。
もちろん本来の「トルコ風呂」とは、かの国(トルコ共和国)に伝統的に存在する公衆浴場だ。
男性には男性の、垢擦り師がついて体を流す。健全な娯楽と、社交の場である。
その由緒正しい名前を、けしからぬ日本の性風俗業界の輩が、勝手に借用していた。女性がもっぱら性的サービスを行う、あの特殊浴場の名前として。
もちろんかの国の人々にとって、これほどの侮辱はない。祖国の尊い名が、いかがわしいセックス産業の名称に用いられている。もしそれを知ったら、どれほどのショックだったろう。
そして実際1984年に、元トルコ人留学生により、抗議の声が上げられた。
当時の厚生省に対して、名称変更についての直訴が行われ、マスコミにも大々的に取り上げられた。
業界も、それに敏速に反応した。その後諸店舗の看板をはじめ、「トルコ風呂」の呼称はなだれを打ったように、「ソープランド」へ改名されたのである。
と、ここまでは事実関係の整理である。
さてそのころのある日、ご存じ地図出版の大手である帝国書院に、一本の匿名の抗議の電話が掛かってきた。
声の主は年の頃は四十か五十の、もちろん日本人。
いかにも憤懣やるかたないという口調で、こうまくしたてたという。
――今般の世間の騒ぎについては、貴社とてもご存じであろう。
いずこにおいても新たな『ソープ』」の呼び名が用いられ、『トルコ』の旧称など跡形も残ってはいない。
しかるに貴社の世界地図は、いまだにトルコがソープに直っていないではないか。
かの国の方々に、大変失礼なことではないか?……
うーん、 何かが違うような……
コメント