WBCのヌートバー選手が、大人気だね。
もちろんその活躍が――プレーぶりや貢献が好感されているのだが、それだけではないね。
＊
種明かしはこうだ。
WBCを夢中で観ているみんなは、「ニッポンちゃちゃちゃ」が大好きだ。
日本ってすばらしい国だ、と思っている。日本人はすてきな国民だ、と思いたい。
でも自分たちでそう言っているだけだと、――そう思っているだけだと、どうしても手前みそになってしまう。
だからできれば外国の人に、第三者の客観的な意見として、日本をほめてほしいのだ。
そこでヌートバーの、出番なのだ。
日本代表の一員とはいえ、国籍も言葉も容貌も、外国人そのものだ。
その彼が、日本はすばらしいと言っている。
もちろん言葉でそう語ったわけではないが、その存在そのものが、そういうメッセージを発しているわけだ。
それはそうだろう。何しろアメリカではなく、日本のチームを選んで、参加してくれている。
もちろんアメリカでは代表に、選ばれなかっただけかもしれない。それでも結果として、日本に参加しているのだから同じことだ。
その事実そのものが、 日本人はすてきだと語っている。日本野球には、大リーグに負けない価値があると、証していることになる。
だからヌートバーを見ているだけで、観客はみんなうれしくなって、感動するのだ。
＊
と、まあそういう仕組みなんだ。
まあ、だから何なんだと突っ込まれたら、もちろん返す言葉はございませんが（泣）
（注：WBCにおいては、親のどちらかが当該国の出生、ないし戸籍所有者であれば、その国の代表としてプレーできる。
母親が日本人の日系人ヌートバーが、今回代表に選出されたのは、この規定に基づいている。）
コメント