大谷翔平に国民栄誉賞を

 大谷翔平が、大リーグのホームラン王を取ったね。
 岸田は大谷に、国民栄誉賞を上げたくて、しかたがないんじゃないかな。

 何せここのところ、岸田の支持率はずっと低迷している。
 浮揚策としては、国民栄誉賞の乱発ほど、効果のあるものはないからね。
 この上MVPも重ねて取ったとしたら、きっとさっそく動き出すと思うよ。

 人間誰でも自分が応援しているものを、同じように応援している仲間がいれば、たちまちその仲間のことも好きになってしまう。意気投合してしまう。
 自分が夢中になっているものなら、なおさらである。

 日本人はみんな、大谷の活躍に夢中である。
 そこに国民栄誉賞を授与して、岸田も一緒にテレビに映り込む。
 肩かなんかを叩きながら、言葉を掛けつつ、盾を贈呈する。
 国民なんてチョロいもんだから、その姿を見れば支持率の10%やそこら、すぐに上がるだろう。
 そういう魂胆さ。

     *

 だがここで、一つ問題がある。
 大谷が師匠と仰いでいる、イチローの存在だ。
 イチローは過去に3回、国民栄誉賞の打診を受けて、3回とも固辞している。
 小泉内閣で2回(2001年、2004年)。安倍内閣で1回(2019年)。
 もっとも2019年は、3月に加えて11月にも再度内密の打診があって、計4回断ったという説もある。

 いずれももっともらしい理由を付けてはいるが、眉唾ものである。というより、単なる社交辞令のような文句だった。
 本音はたぶん別だ。
 イチローは、頭がいい男だ。国民栄誉賞なんて、時の政権の人気取りのための、広告塔にすぎないと、よくわかっているんだと思う。

 まあたいていの人間なら、たとえ広告塔の役目でも、よろこんで引き受けたりするものだ。
 だけどイチローは、たぶん自民党が、きらいなんじゃないかな。きらいな党のために働こうなんて、誰も思わないもの。
 立憲民主党の、支持者かもしれない。まさか、社民党じゃあないだろう(笑)
 まあ、別に思想信条の自由だから、それでも全然かまわないんだけど。

     *

 まあ大谷は、イチローほど頭がよさそうには見えない(笑)
 立憲民主党でもなさそうだ。

 でも師匠から学ぶときは、まず形から入る、ということがある。
 なぜだか全然理屈はわからないけど、イチローが断ったのだから自分も断ろう、ということは十分ありうる。

 いったん正式に打診してから、すげなく断られたりすると、かえってメンツ丸つぶれになる。
 赤っ恥をかく。
 しっかり事前に下調べして、根回しをしておかないとね。

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 と、ここまで書いて、改めてネットを調べてみた。
 何と大谷翔平も、もう過去に一度(2021年)国民栄誉賞のオファーを受けて、断っているようだ。
 しかもそのときも、相手は岸田だった。(参考
 そいつは、全然知らなかった。

 これじゃあ今回も、見込み薄かな。
 あるいはもうすでに、最初から表彰を諦めているのかな。

 岸田さん、どうもご愁傷様(笑)――

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<補足>
 元々は、
――本当はこの前の東京オリンピックの、「池江璃花子奇跡の復活」で、国民栄誉賞を上げたかったのだろうが、さすがにそうは問屋がおろさなかった。
 という一文を入れたかったのだけど、当時の総理大臣はまだ菅義偉だったことを思い出して、泣く泣く割愛した。
 でも菅さんだってきっと、同じ魂胆だったにちがいないと思い直して、未練たらしく補足で付け足してみた(笑)

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