<小選挙区のからくり> 高市早苗はたった25%の支持者で86%の議席を得た

 先日の衆院選挙で、国民の熱狂的支持を集めて第二次高市内閣が誕生した――と思っていないか? 
 確かに456議席のうちの316が自民党なのだから、圧勝と言われても不思議はない。

 だがこの数字には、ちょっとしたからくりがある。
 たとえば小選挙区部分の定数289議席のうちで、自民党は何と249議席(86.2%)を獲得した。ほぼ全勝と言ってもいい数字である。
 だがその裏で、自民党候補者全員の得票数の合計は、全候補者の得票数合計の49.2%にすぎなかった。

 何と49.2%の支持率で、86.2%の議席を得た。これが過去投稿で述べた通り、小選挙区制のマジックなのだ。
 ※小選挙区では最大得票者だけが当選となる。それ以外への投票はすべて死に票となるから、第一党の支持率が実際の何倍にも増幅されて、議席数に反映される。辛勝も圧勝に見えてしまう。

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 実際、このからくりが通用しない比例代表の部分では、自民の議席は176議席中の67議席(38%)だ。
 さらに言えば、某世論調査による2月の自民党の支持率は30.1%である。
 これらの数字を合わせ見れば、86.2%という小選挙区の議席獲得率が、いかに過大に水増しされたものであったかがわかる。

 もちろん「だからどうした?」と言われてしまえば、返す言葉はない。
 初めからそういうシステムの下で、選挙が実施された。
 それがわが国の政治の決め事なわけだから、いささかの不正もあったわけではない。堂々と胸を張って、結果を誇ればいい。

 だが数字というものは、えてしてそうして一人歩きしがちなものだ――そのことだけは、やはり覚えておいたほうがいいと思う。

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 小選挙区の自民党は49.2%の支持率で、86.2%の議席を得た――だがさらに、うがった見方もできる。
 ご存じの通り、有権者全員が投票所に足を運ぶわけではない。たいていの選挙で、その半数は棄権を選び、投票率は5割台で推移する。

 そのことを考慮すれば、49.2%という数字はさらに割り引いて考えなくてはならない。
 棄権した人間も含めた国民(有権者)全体で見た場合、数字はざっくりその半分、おおむね25%程度にすぎないわけだ。

 あの降り積もる雪の中でも、ちゃんと投票所に出向いた熱烈な自民支持者は。実は国民の4人に1人にすぎなかった。
 それがまるで国民の大半であるかのように、議席総取りの結果となった。
 それこそが選挙制度のマジックが現出した、驚天のイリュージョンなのだ。

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 からくりがひそむのは、選挙制度だけではない。
 今回の選挙は、歴史上初めてのSNS選挙だと言われる。

 SNSでは一旦人気になったコンテンツは、拡散やら切り抜き動画やらで、さらに雪崩を打つように人気が加速していく。
 高市早苗の動画の再生回数は、最終的に8億回を越えたと話題になった。(注)

 「ニッポン・チャチャチャ」(注)ならぬ「タカイチ(高市)・チャチャチャ」を謳う熱狂的な支持者は、実態は4人に1人しかいない。
 だがそこに、SNSの無限の増幅作用が働いた。
 いわばボリュームのイカレてしまった拡声器のおかげで。まるでその声が、列島中に鳴り渡る大合唱であるかのように、錯覚されたのだ。……

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