続 不思議の国のベースボール

前回の続き)

アメリカっていうのは、不思議な国だね。

何しろ大リーグでは、審判の権威は絶対だ。
その判定にたてついたりすると、手厳しい報復を受ける。
一度睨まれた選手は、それからあとはプレーのたびに不利な判定を受けて(故意誤審)、結局はつぶされてしまうらしい。
審判も人間だからミスは付きものだ、なんていう当たり前の理屈は、そこではまったく通用しない。

審判の権威は絶対だ――おそらくそんな彼らの発想は、少年野球のイメージを引きずっているのだろう。
少年野球では、選手は当然全員、右も左もわからない子供ばかりである。
野球を知りつくし、物の道理も十分にわかっているのは、唯一審判をつとめる大人だけなのだ。
だとしたら、選手たちが自分勝手な主張を始めたとき、審判への絶対服従を説くのは、教育上も理にかなっていなくもない。

だがしかし大人の、プロの野球にまで、少年野球を持ち込まれてはかなわない。
何しろ相手は、ばりばりの大リーガーである。こと野球に関しては、どこの馬の骨だがわからない審判たちよりも、はるかに格上なのだ。
むしろ彼らの執拗な報復は、そんなコンプレックスの裏返しか、と勘ぐってしまう。

もちろん、ビデオも何もないローテクの時代なら、それも致し方がなかった。
いくら自分の目が正しくても、証拠を示すわけにはいかない。互いの判断が食い違ったら、結局は水掛け論の泥仕合になるしかなかった。
そんな混乱を避けるためには、誰か一人に決めて、――つまりは審判一人を絶対的な存在として、最終的な判断を委ねる必要があったのだ。

だが今の時代は、それはそうではない。
ビデオを見直せば、何が正しいかは一目瞭然だ。そのうえテレビの中継画面には、ご丁寧にストライクゾーンの枠組みまで、表示されていたりするのだ。
そんなハイテクの時代に、旧態依然と古い権威にしがみつく審判団など、とっととお払い箱にしたいものだ。(機械判定の導入)

俺たち審判の判断は絶対だ。メンツをつぶした選手は、けっして許しはしない――そんな彼らの意趣返しの犠牲になったのが、他ならぬわれらの大谷翔平選手である。(https://89-j.com/baseball-umpire-3/)
人種的な偏見も手伝って、投げてはストライクをボールとコールされ、打席ではボールをストライクとコールされる。
プレーの根幹であるストライクゾーンに細工をされて、いらいらは最高潮。パフォーマンスはガタガタである。

ん? パフォーマンスはガタガタ?
そうなのだ。審判たちに「つぶされた」挙げ句の成績が、あの数字なのだ!
もしまっとうな条件でプレーしていれば どんなにそら恐ろしい結果が残ったことだろう!
それを見られなかったと思うと、くだらない審判どもの存在が、本当に残念でならないのですよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました