よにも愚かしい母親たちのネット談義

 よく母親たちが、子供の珍奇な言動を報告しあうことがある。うちの子はこの間、こんなおもしろいことを言っていた。そういえばうちの子も、と。

 それはただ無邪気で、ほほえましいだけではない。大人の凝り固まった頭では思いつかないような、柔軟な発想に驚かされることもある。

 だがしかし、――

     *

 先日ネットにこんな書き込みがあった。(注)

こどもが小1のときに、算数の文章問題を出してみた
 ――98円もっています。 32円のグミをかいました。 おつりはいくらでしょうか。

しばらく考えた末に、こどもが 「ママ、おつりはもらわないで、はらえるよ」

…ほんとだ笑


 どうやらこの母親は、引き算の応用問題のつもりだったらしい。98-32=66だから「66円」という正解を期待して。
 それで子供の意想外の解答を、愉快がっているのだ。

 このスレッドにたくさん「いいね!」がついた。「すごい。想像力が豊かだ」「大人の9割は気がつかない」のコメントで、感心しきりなのだ。――

     *

 もちろん、このブログの読者はお気づきだろう。
 その子どもが賢いのではない。母親の頭が悪い。くだんの出題は文言に不備のある、しょうもない欠陥問題なのだ。

 それはそうだろう。お釣りというのは「いくら持っていたか」で決まるわけではない。「いくらを差し出したか」なのだ。
 50円玉1枚差し出せば18円。10円玉4枚ならお釣りは8円で、答えは一つに決まらない。

 98円の所持金の構成を考えれば、必ず10円玉4枚と1円玉3枚はまじっていなければならない。
 だからふつうの人間なら、32円ぴったりを払う。お釣りなんてもらいはしないのだ。

     *

 それともナニかい? もし1億円の財産のある富豪が、32円のグミを買ったとしたら。9千999万9968円のお釣りが来る、とでも言うのだろうか?

 それだけの釣り銭を準備している大商人なら、絶対に駄菓子なんて売りはしないだろう(笑)

 その子どもの頭の中身が、母親似でなかった僥倖を、他人事ながらただただ寿ことほぐばかりである(笑)――

コメント

タイトルとURLをコピーしました