<結婚したら、そりゃあ交尾もします>
日曜日の午後3時から、フジテレビの競馬番組がある。
開局当時(1959年)からの伝統だが、時代に応じてさまざまによそおいを変えてきた。
1985年からの3年弱は『チャレンジ・ザ・競馬』の番組名で、鈴木淑子と夏木ゆたかのダブル司会で進行した。

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そこで忘れられない光景がある。
番組のリポーターをつとめる「大〇ひろみ」という女性がいた。
結婚で一般人となり、今は姓も変ったが、かの大〇巨泉の姪という触れ込みだった。競馬にもずいぶん通じていたようだ。
彼女の結婚が間近になり、いよいよ番組卒業という段になった。
番組の最後に花束贈呈があり、送り出される女性キャストが涙ぐむ――そんな定番の演出がここでも始まった。
そのとき、マイクの前の鈴木淑子が言い放った。
――いよいよ大橋さんも、「繁殖入り」ということで……
解説をしておこう。
競走馬として現役生活を終えた牝馬の多くは、牧場で繋養される。種牡馬と種付けを行い、子をもうけるためだ。いわば繁殖という、新しい仕事に入るわけだ。
大〇ひろみもレポーターを引退して、結婚生活に入る。そのことを番組にふさわしく、競馬用語でたとえたのだ。
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――いよいよ大〇さんも、「繁殖入り」ということで……
鈴木淑子は確かに、にこやかな笑顔でそう言った。
だが発言を聞いた、大〇ひろみの顔色が変った。ほんの一瞬ではあるが、視聴者にもはっきりそれとわかるほど鬼の形相となった。そこには憎しみと、殺意さえ感じられた。
彼女の気持ちもわかる。
人間の世界で結婚と言えば、きまって美しいおとぎ話で飾られる。白馬に乗った王子さま。けがれなく輝くウェディングドレス。教会のチャペル。両親への手紙。――そんなおなじみのポエムで、頭の中は一杯だったはずだ。
そんなときに、件の言葉は実になまなましい、交尾の現実を思い出させた。白無垢の花嫁が、畜生たちと比べられた。
だとしたら彼女が、一瞬にして凍り付いたのも当然だった。
もちろん鈴木淑子に、他意はなかったかもしれない。
平生から二人の女性の関係が、良好なものであったなら。あくまで洒落のきいた、はなむけの言葉と解することもできたはずた。
だがおそらく、実態はそうではなかった。そこには女と女の、どろどろの争いがあった。
水面下で火花を散らす、いがみあいがあったにちがいない。
だからこそ、鈴木淑子のあんなさりげない一言が。
まるで二度と取り返しのつかない失言であるかのように、こうして永遠に語り継がれることになるのだ(笑)――
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<馬並み――世にも珍奇な生き物>
「馬」と言えば、下世話では巨根の代名詞である。
昔あるところに、「短小」に悩む男がいた。
毎日のように「馬並みになりたい」と嘆き暮らした。
それを哀れに思しめした神様は、ついに男の願いを聞き入れることにした。
だがそこに、ちょっとした手違いがあった。
ある朝、男が目を覚ましてみると。
顔の長さと頭の中身が馬並みになって、肝心のあそこの方は、相変わらず粗チンのままだったという。……
かくしてこの世に、よにも情けない生き物が、一匹誕生したわけだ(笑)――
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<薬物依存症>
下剤を飲まないと便が出ない。その便が、下痢止めを飲まないと止まらない。……
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