アメリカでメタ(=フェイスブック、インスタグラム)が、ついにファクトチェックをやめたらしいね。(注)
社会を混乱させるような偽情報を判定し、警告を発するような機能だ。
2020年の「選挙は盗まれた」。去年の「移民がペットを食べる」。主にトランプ一派が意図してばらまくそんなデマを、なんとか抑止しようとこれまで頑張ってきた。
だが今回のトランプ再選で、力尽きた。新大統領による、報復を恐れたからだ。
イーロン・マスクに乗っ取られたツイッターは、とっくの昔にデマ拡散の公器となりはてた。ザッカーバーグもそれに続いたわけだ。
早晩他のプラットフォーマー(注)も、雪崩を打ってトランプに膝を屈し、意を迎えようとするだろう。
このニュースを聞いて「冷やし中華始めました」という、例の文言を思い出した。
夏になると街中の中華料理屋が、同じのぼり旗を店頭に掲げる。
ちょうど同じように、「ファクトチェックやめました」の白旗を、みんな次々と掲げていくわけだ。――
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これでこれからは、デマは垂れ流しになる。誰も制する者はなく、嘘はついた者勝ちだ。
そしてそれが社会を動かす。政治をひっくり返す。
名実ともに、トランプ共和党の天下となる。やりたい放題が始まる。
民主リベラルには、なすすべはない。
だがちょっと待てよ。
相手が偽情報で来るのなら、同じ手口で行けばいい。やられたらやり返せばいい。それでおあいこのはずだ――と、きっとそう思うだろう。
だがこれまで良識派を気取って来た、リベラルにはそれができない。
知性と教養が邪魔をする、ってやつだ(笑)これまで自分たちが馬鹿にしてきたやり方に、おいそれと乗り換えるわけにはいかないのだ。
臆面もなくデマをばらまくことのできる、厚顔無恥の連中だけが、これからは選挙で勝つ。いささかでも良心の咎めや、知的誠実さを持ち合わせる者は、もはや天下を取ることはできない。
そしてそれは海の向こうの、アメリカだけの話ではない。
日本でも立花孝志が選挙を引っ掻き回し、斎藤元彦を当選させた。同じ戦法が用いられたのである。
欧州もまた、同様な現象に悩まされている。――だとしたら人類そのものが新しい時代の、新しい歴史を迎えようとしているのだ。
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そもそもファクトチェックがあったところで、結果は同じことだ。
そのファクトチェックが正当なものかどうか。そこで偽情報と判定されたものが、本当に「偽」なのか。
ニューヨーク・タイムズが報じることが、良識派のリベラルが信じることが、本当に「真」なのか―― そんなことは、誰も証明することはできないのだから。
否。たとえ証明できたとしても、――「確たる証拠」と思えるものを突き付けたとしても、相手(=アイツら)がそれでも納得しなければ、結局は同じことだ。
つまりはこの新しい時代には、絶対的な「真実」など、もはや存在しない。それぞれの人間が、それぞれに真実だと信じるものを受け入れて生きるしかない。
移民がペットを食べる。レーザー兵器がロサンゼルスの山火事を引き起こした。――そんな荒唐無稽に聞こえる流言だって、100%虚偽であると断じることは、本当はできないのだ。
そのことに、私たちの時代が気づいてしまった。哲学的に目覚めてしまった。
この点についての考察は、過去投稿(真理なき時代に「事実もどき」をついばみながら)に詳しいので繰り返すまい。
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それぞれの人間が、それぞれに真実だと信じる世界を生きるしかない。――
ところで人類の中の、圧倒的多数はアホである(笑)
てことは人類の圧倒的多数が、アホなことを信じて生きることになる。
てことは――
人類全体の民意を反映する「理想の民主主義」は、必ず衆愚政治と化す。そして誤った選択をするにちがいない。
それならば哲人政治(注)が望ましいが、誰が哲人なのかを決めることができない。……
一体どうしたらいいんだよ――と、知識人は絶望して嘆く。
だが何も、むずかしいことを考えることはない。
人間なんて所詮は二本足のサルなんだ。だとしたら、まっさきに知性と教養を断捨離して、自分もサルの仲間に加わればいいだけだ。
IQ80以下のあの連中と一緒になって、キャッキャッと言って騒いでいれば。それはそれで、結構楽しいもんだと思うよ(笑)
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