「備蓄米5キロ83円」を論破する

 このあいだも備蓄米を話題にしたが、またしても、である。

 何でも立憲民主党の原口一博がツイートしたとかで、例によってあおられた下級国民がわめいている。
「5キロ83円の備蓄米を2千円で売るのか。けしからん」てね。(注)

 ヤツらの低能ぶりは今に始まったことではないが、今度ばかりは呆れて物も言えない。

     *

 それならば彼らに問いたい。
 コンビニで150円で売っているボトル飲料の、中身の原価はいくらですか?

 コーヒーなら10円程度だという。「○○のオイシイ水」に至っては、源泉にタダで湧いている水だ。
 それを150円で売るなんてけしからん!――なんて、いかに頭の悪い彼らでもまさか食ってかかりはしないだろう。

 古古古米だって同じことだ。
 83円というのは、あくまで家畜の餌の業者が国の倉庫まで、自前のトラックで取りに来た場合の値段だ。
 その同じものを、食用として全国の店頭に並べようとしたらどうなるか?

 人間でも食べられるような、そこそこまともな品質の粒だけをって、プリント済みの袋に詰める。
 それをガソリン車に載せて、温度管理も怠らずに、津々浦々に配送する。行った先の小売店で、アルバイトの店員が販売する。……
 そんなことを重ねていくうちに、たとえ83円が2千円になっても何の不思議もない。

 流通の仕組みというのは、そういうものなのだ。
 それとも彼らは、古古古米を5キロ83円で売っているスーパーを、これまで現に見たことがあるとでも言うのだろうか?

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 よくテレビで、「驚異の激安スーパー」みたいのが話題になる。
 定価の9割引は当たり前、ときには194円のスイーツが1円で買えたりする。(注) 
 仕組みはこうだ。

 商売をやっていると、売れ残って在庫を抱えることがある。
 そのまま置いておいては、保管料だけがかかる。捨ててしまいたくても、捨てるときには廃棄料がかかる。
 食品ならば賞味期限の問題もある。タダでもいいから、誰か持って行ってくれる者はないか――そんな売り主のところに行って、この手のスーパーがタダ同然で仕入れてくるわけだ。

 備蓄米だって同じことだ。
 有事に備えて、結構な高値で仕入れた。だが幸い、これまでは有事が起きなかった。つまり需要がないまま保管期限が切れたから、あとは廃棄するしかない。
 タダで廃棄するのはもったいないから、5キロ83円で業者に持っていかせた。需要がなければ、値段ははてしなく下がる。経済の鉄則通りだ。

 もちろん国は大損だが、そもそも備蓄米というのは、万が一に備えた保険のようなものだ。
 その「万が一」が起きなければ、保険料は掛け捨てになる。大損になるのは当たり前で、それはそれで別に構わないのだ。
 だが今回は違う。戦争とは別の「米不足」という有事が起きた。その結果需要が生まれた。
 需要があるときに83円などという、タダ同然の値段かつくわけはないだろう。

 上記のテレビ番組を見て、「スーパーマルヤスでは1円で売っているのに、おまえのところは194円も取る気か」と、近くのコンビニを焼き討ちにする。――そんなことをするヤツがいたとしたら、どうみてもただのバカだろう。
 だが残念ながら、今回の83円で騒いでいる連中も、その類いの低能児なのである。

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 原口一博はまた言う。
「古古古米はニワトリさんが一番食べている。人間様、食べてないんですよ」 と。(注)
 もちろん先般の、玉木雄一郎の発言を擁護してのものだ。

 では原口一博に問いたい。備蓄米というのは、何のためにある制度ですか?
 家畜の餌を保存するためですか? もちろんそうではない。
 有事の際に放出して、国民に供するためのものだ。人間が食べるのだ。

 幸い有事が起きず、賞味期限が切れれば家畜の餌に回す。そうして新しい米と入れ替える。
 ただそれだけのことで、初めから家畜のために備蓄しているわけじゃあない。

 これまで古古古米を誰も食べなかったのは、有事じゃなかったからだ。他に新しい米が、いくらでも手に入ったからだ。
 だが今は、米不足という有事が起きた。だから政府は備蓄米を放出した。国民もみんなスーパーで、行列を作って買い求めた。

 そうやってやっと手に入れた備蓄米を、おいしいおいしいと食べている国民を、オマエらは家畜レベルだと見下すつもりなのか?

     *

 しかし一番のけぞったのは、某国民のこんな得体の知れないコメントだ。

そもそも備蓄米は国民の税金で買ったものだ。その備蓄米を2千円で売ってもうけようというのか!

 面倒くさいのでもう論評はしないが、ここには猿でもわかる論理の誤謬がいくつも含まれている。 

 読者のみなさん。この際だからこの「間違い探し」のクイズを、しばし一緒に楽しんだあとで。
 下級国民たちの頭の悪さを、またしても思う存分、みんなで笑ってやろうではありませんかwww――

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