またまた杉田水脈が、お騒がせをしている。
なんでこんなトンデモ放言女が、議員でいられるのか、ご存じだろうか?
ひとえに故安倍晋三氏の、引きがあったからである。
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安倍氏の政治信条が、「右寄り」であったのは言うまでもない。
だがあの手の右傾思想は、男どもには喝采されても、元来温和で平和志向の女性には、受けがよくない。
何か怖いもの。得体のしれない、危険な臭いのするものとして、敬遠されがちなのだ。
これではいけない。何しろ有権者の半分は女性なわけだから、それにそっぽを向かれてしまっては、立ち行かない。
そこで安倍氏が手がけたのが、「女性登用」なのだ。
もちろんそれは、ただの女性ではいけない。
ご本人と同じ、保守反動のメンタリティーを持った、稀有な女性を見つけ出すこと。
そして政治家に、議員に仕立て上げること。ひいてはいずれ、内閣の一員を担うような人材に、育て上げること。
そして彼らに、発言させること。
男が口にしたら角が立つような――物議を醸すような内容でも、彼らの口を借りれば、印象はだいぶやわらぐ。
あまり定見のない女性有権者なら、同性の仲間が言っているのだから、ひょっとしたら本当かもしれないと、勘違いしてくれる。
党と政権の、マッチョなイメージを払拭するために。そんな壮大なイメージ戦略が、ひそかに進行していた。
そうしてリクルートされたのが、たとえば杉田水脈であり、稲田朋美であり、付け加えるなら高市早苗も同様なのだ。
本当は櫻井よしこが一番よかったんだか さすがにあの人はヤバすぎるというので、見送りになったらしい(笑)
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だから杉田が何を口走っても、お咎めはなかった。むしろ裏で、焚きつけていたくらいなのだ。
そこには人形を操る腹話術師が、巫女の口を借りて語る愛国日本の亡霊が、きっといたのだ。
安倍氏の退任後も、女武闘家たちへの贔屓は引き継がれた。
空気を読まない 、言いたい放題の爆弾発言も、けん責されることはなかった。
ちょうど中国やロシアが、北朝鮮をのさばらせているように。それと同じような原理が、働いていたわけだ。
だがしかしさすがに――さすがに杉田は、図に乗りすぎた。お叱りがないのをいいことに、あまりにもいい気になりすぎた。
何しろ現首相は、空気を読むのだけが取り柄の岸田である。支持率低下に蒼白になっている首相が、追い打ちを掛けるような杉田の妄言を、もはや放置できるはずもなかったのだ。
それが今回の騒動の、すべての舞台裏だ。――
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それがすべての、舞台裏だ。――
自民党の女性議員の、比率は低いと言う。確かに、その通りだ。
だがそれはけっして、女性を排斥しているからではない。むしろその逆だ。
選挙で勝つためにも、支持率を上げるためにも、喉から手が出るほど女性議員がほしい。ふさわしい成り手がいるものなら、諸手を挙げて大歓迎なのだ。
だが残念なことに、彼らの同類を異性の中に見つけるのは、なかなかむずかしい。
天皇陛下万歳を叫ぶ。南京事件も慰安婦も否定する。教育勅語を信奉する。伝統的家族像にしがみつく。――そんな女性なんて、あたりを見回しても、めったにありはしない。
めったにいないそんな女性候補を、たとえ強引にでも、一人でも多く発掘すること。それが安倍晋三氏の、 たっての願いだった。
正直「右」であり、「女」でありさえすれば、誰でもよかった。
いわば「右寄りの女性募集」みたいな、広告を出しているような状態だ。たとえどんなに無能でも、へちゃむくれでも構わなかった。
だからこそ杉田水脈が、議員になれたのである。だからこそ稲田朋美が政治家に、大臣になれたのである。
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それがすべての、舞台裏だ。――
かつて稲田氏が、どこかのインタビューで、ガラスの天井について語っていた。自分も常々、その存在を感じてきた、と。
まるで見えない差別が、自分の出世を阻んだ、と言わんばかりの口ぶりだ。失笑ものである。
本来なら、総理総裁クラスの器なのに。女であるがゆえに、防衛相どまりだった、とでも?
勘違いにもほどがある。
ウヨク女の優先枠で、明らかに役者不足の大臣に、無理やりまつりあげられただけなのに。ご本人は、まったく気づいていないらしい。
もっとも、だからといって別段稲田朋美が、無能でへちゃむくれだ、と言っているわけではない。
誤解を招いたとするなら、あやまりたい(笑)
そんな他意は、まったくありません。
ただ保守反動の自民党が、そんな男臭さを消すために、保守反動の女性議員を重宝した――そのことだけをただ、指摘しておきたかったのですよ。
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