税についての「常識」を論破する(2)

(話は前項から続く)

 前項では、所得税と給付の話をした。
 ではこれが、消費税だったらどうなのか? 消費税で給付の原資をまかなうのはありなのか、なしなのか?

     *

 この消費税については、所得税以上に誤解が多い。
 特に「識者」と称して偉そうに語る連中ほど、勘違いしているから始末に負えない。
 彼らの主張はこうだ。

 消費税は金持ち優遇だ。

 貧乏人の家計は火の車で、給料のすべてを消費に回さざるをえない。つまりは所得のすべてが消費税の対象となる。

 それに比べて金持ちは、懐に余裕があるから、貯金や投資にお金を回せる。
 貯金した分には消費税は掛からない。だから金持ちほど負担は少なくなる、ズルい制度なのだ。

 これを聞いた一般国民は、すっかりそうと信じ込む。
 なるほどそんなカラクリがあったのか。さすが先生方のおっしゃることは違うと、有難がって拝聴しているようだ。

 だがしかし。――
 
     *

【ファクトチェック】→【判定】誤りです

 それはそうだろう。
 そうして投資で増やし、あるいは貯蓄されたお金は、最後にはどうなるのか?
 もちろん引き出されて、何かに使われる。
 そしてそのときには、ちゃんと消費税を取られるわけだから、結局は同じことになるのだ。
 
 そのままため込んで、使わないヤツだっている?
 だが永遠に使わないお金なんて、ただの預金通帳の数字にすぎない。そんなものを有難がっているただのバカなら、うらやましくも何ともないだろう。

 そのうえもし、使わずにため込んだまま、当人が逝ってしまったらどうなるのか。遺産相続が行われ、そのときは相続税が徴収される。
 そのときは10%なんて騒ぎではない。大金持ちなら最高55%が、税金で持っていかれる。
 消費税なんかより、その方がはるかに国庫に資することになるわけだ。

 先述の主張をするようなエセ識者は、そのことがわかっていない。
 目の前に今ある状況だけに視点が限局されて、その先に起こるかもしれない「未来」も「可能性」も見えていない。
 要するに、バカの見本なのだ。

     *

 もちろん消費税は、所得税のような累進課税ではない。
 だが税率は同じでも、金持ちほど金を使って、その分払う消費税も増えるわけだから、ある程度の累進性は確かに存在するわけだ。

 そのうえ消費税は、所得税より透明度が高い。簡単にちょろまかすというわけにはいかない。
 所得税には悪質な脱税だけではない。節税という名の、合法的な脱税の手口がいくらでも存在する。
 何でもかんでも経費で落として、ほとんど税金を払わない自営業者の話なんかも、きっと聞いたことがあるだろう。

 消費税にはそれがない。そのことを考えれば、所得税よりもはるかに公平なシステムなのだ。
 だとしたら、消費税を通して集めた税金で現金給付をする――あるいはその究極の形態として、ベーシックインカムを保証する。
 そんな政策にも実は、十二分な妥当性があるのだ。――

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