ヤバい薬物はそれと知られないように、たいていは隠語で呼ばれる。
大麻は「ハッパ(葉っぱ)」で、コカインは「コーク」。
覚せい剤の「シャブ」は有名になりすぎたので、最近は「アイス(氷)」と言うらしい。
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かつてはシンナーも、よく薬物として用いられた。
その辺の工具屋で買ってきたシンナー溶液を、ポリ袋に入れる。その袋の口に、こちらの口と鼻を押し当てて――半ばツッコんで、揮発した成分を吸い込むわけだ。
違法薬物で4回逮捕された田代まさしも、きっかけは中学時代のシンナー乱用だったと語っている。
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上記の吸い方は、袋入りのアンパンにそのままかじりつく様子に似ている。
それでシンナーは隠語で「アンパン」と呼ばれていた。
田代まさしについて言えば、この「シンナー遊び」は中学で卒業し、その後の逮捕の大半は覚せい剤によるものであった。
それでも、またしても田代逮捕の報を聞くたびに、
「おまえはアンパンマンか!」
とついついツッコミを入れてしまうのである。
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もちろんアンパンマンの本家本元は、ご存じ国民的人気アニメ『それいけ!アンパンマン 』(やなせたかし作)である。
子供向けの他愛のない絵ずらとは違い、その執筆の動機は深い。
そこには自らの戦地(太平洋戦争)での飢餓体験と、なかんずく学徒出陣で戦死された弟・千尋氏への、鎮魂があったという。
「ぼくはもうすぐ死んでしまうが、兄貴は生きて絵をかいてくれ」
と言い残して去った弟。
その悲しい自己犠牲が、自分の顔を食べさせて人を助けるアンパンマンの物語に寓されている。
その空を飛ぶ姿に、大空に散った若い特攻隊員の姿を重ねる者さえいる。
――そんな感動的なビハインドストリーを、もし少しでも知っているのなら。
田代くんにはもうこれ以上、アンパンマンの名を汚さないようにしてほしいものである(笑)
田代まさしがアンパンマンだった件
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