風俗店の詐欺商法――たまには店もだまされる(3)

<ケジラミ詐欺>

 ケジラミ(毛じらみ)というのはご存じであろう。要するにシラミなのだが、主に陰毛に寄生する。
 痒い以外には害をなすものではないが、場所が場所だけに対処に困る。
 当然のことながら性交渉が媒介し、かつてはよく(笑)風俗店などで伝染うつされたものだ。

 こいつにかこつけた、詐欺もある。
 たとえば個室で、ようやく一戦が終わったころ、客が急に騒ぎ出す。ケジラミがいる、と。
 確かに目を凝らしてみると、客と女の両方の陰部に、それらしきものが散見する。
――お前からうつったんだろ。ふざけやがって。責任者を呼べ!
 飛んできた店長に、客がすごむ。
 お前の店は、ケジラミ持ちの女を雇っているのか。客にうつす気か。どう落とし前をつけるつもりだ、と。

 もちろんこれもすべては、初めから仕組まれた、金目当ての狂言である。
 おそらくは何かの容器にひそませた数匹の毛じらみを、プレイ中にうまい具合に、こっそりばらまいたのだ。
 ラーメン屋でどんぶりに虫を入れて、因縁をつけて金をたかる――そんなヤーさんたちの手口の、風俗版の応用編なのだ。 
 店側もそれとわかっているのだが、証拠をつかんでいるわけではないから、打つ手はない。
 平謝りするしかない。そして「治療代とお詫び」と称して、泣く泣く金を包むことになるわけだ。

 このいわば「けじらみ詐欺」と呼ぶべき手口も、最近あまり噂を聞かない。
 それはそうだろう。何しろ今では女の子の間で、脱毛が大流行だ。申し訳程度に残った陰毛では、とてもシラミを飼育できる環境ではない。
 そのうえパイパンにでもされたら、もちろんもうお手上げである。

 ヤーさんたちにもずいぶんとまた、住みずらい世の中になったものである(笑)

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