<ケジラミ詐欺>
ケジラミ(毛じらみ)というのはご存じであろう。要するにシラミなのだが、主に陰毛に寄生する。
痒い以外には害をなすものではないが、場所が場所だけに対処に困る。
当然のことながら性交渉が媒介し、かつてはよく(笑)風俗店などで伝染されたものだ。
こいつにかこつけた、詐欺もある。
たとえば個室で、ようやく一戦が終わったころ、客が急に騒ぎ出す。ケジラミがいる、と。
確かに目を凝らしてみると、客と女の両方の陰部に、それらしきものが散見する。
――お前からうつったんだろ。ふざけやがって。責任者を呼べ!
飛んできた店長に、客がすごむ。
お前の店は、ケジラミ持ちの女を雇っているのか。客にうつす気か。どう落とし前をつけるつもりだ、と。
もちろんこれもすべては、初めから仕組まれた、金目当ての狂言である。
おそらくは何かの容器にひそませた数匹の毛じらみを、プレイ中にうまい具合に、こっそりばらまいたのだ。
ラーメン屋でどんぶりに虫を入れて、因縁をつけて金をたかる――そんなヤーさんたちの手口の、風俗版の応用編なのだ。
店側もそれとわかっているのだが、証拠をつかんでいるわけではないから、打つ手はない。
平謝りするしかない。そして「治療代とお詫び」と称して、泣く泣く金を包むことになるわけだ。
このいわば「けじらみ詐欺」と呼ぶべき手口も、最近あまり噂を聞かない。
それはそうだろう。何しろ今では女の子の間で、脱毛が大流行だ。申し訳程度に残った陰毛では、とてもシラミを飼育できる環境ではない。
そのうえパイパンにでもされたら、もちろんもうお手上げである。
ヤーさんたちにもずいぶんとまた、住みずらい世の中になったものである(笑)
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