わが国では明治以来一貫して、局部(性器)の映った写真表現は違法とされる。
「わいせつ物頒布等の罪」ってやつだ。
だが時代の推移もある。
かつては陰毛(ヘア)も局部のうちと見なされ、取り締まりの対象となった。
だがやがて基準がなし崩しとなり、1990年代あたりからは実質、全面解禁の状態となった。
1991年。当時18歳(撮影時17歳)のトップアイドルだった宮沢りえが、『Santa Fe』でヘアヌードを披露した。(注)

写真集売り上げの日本記録、ひいては世界記録も打ち立てて、社会現象となった。
あまたの美人女優たちがそれに続いた。女たちの美しい「みどりの黒髪」を、その股間にすら認めた男たちは感動し、かならず随喜の涙を流した。
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だが昨今ではヘアヌードなんて、まるで話題にならない。見かけさえしない。
ある者は言うであろう。
それは時代が、性に関して保守的になったからだ。法律はともかく、世間の規範が許さない。
なにしろ街に置かれた裸婦像にすら、難癖がつけられるくらいだから。
またある者は言うであろう。話はその逆だ
インターネットの発達で、そんなものはいくらでも見放題だ。海外のサーバーを経由すれば、そのものずばりの性器すら拝むことができる。
なにも金を払って、写真集を買う需要はないわけだ。
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だが実は、この現象にはもう一つ大きな、現実的理由がある。
つまりはヘアヌードは、撮りたくても撮れないのだ。
それはそうだろう。
なにしろヘアヌードが成立する条件は、「陰毛がすっかり性器を覆い隠していること」だ。
ところが今の若い娘たちはどうだ。
過去投稿(脱毛文化論)に述べた通り、すっかり業界の術中にはまって、脱毛が大ブームだ。
「パイパン」の場合は言うにや及ぶ。たとえ毛が残っていたとしても、一定以上の比率で処理をしてしまえば、どうしても性器が覗けてしまう。写り込んでしまうのだ。……
というわけで、世の中からついにヘアヌードが姿を消してしまった。
やまとなでしこの股間の黒髪を、もはや愛でることのできないエロおやじたちは、時代の不条理を嘆く。
つるつるの毛なしになった娘たちに、「お前はナメクジか!」とツッコミを入れながら。
ひたすら毎日を、嘆き暮らしているらしい(笑)――
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