<琉球解放論> 沖縄は本当に日本固有の領土か

 沖縄は日本の固有の領土だ、なんてまさか思っていないよね?

 明治政府の「琉球処分」によって、沖縄県として併合されるまで、かの地は琉球王国と呼ばれる独立国家だった。 
 というよりも、中国諸王朝と朝貢関係を続ける冊封(=服属)国であった。これを中国側の視点で見れば、「沖縄は元来中国領であった」ということになる。

 その琉球がかつては薩摩藩の圧力によって日中両属となり、ついには日本領となった。つまりは帝国主義日本が中国領に侵攻し、植民地化した暴挙なのだ。

     *

 だとしたら琉球の人民は、われわれ中国共産党の助勢によって、一刻も早く日帝(注)の支配から解放されなくてはならない――そんな「琉球解放論」とも言うべきものが、中国の軍人・政治家の間でひそかに囁かれている。

 その主張は必ずしも偏頗でも、暴論でもない。
 一応、筋は通っている。あちらの側から見たら、確かに事態はそう見えるだろうな、と納得がいく。
 少なくともそれは、侵略の大義とするには十分だ。
 
 ちょうどあのプーチンが、「ウクライナとロシアはかつて一体だった」という、歴史理論を振りかざすように。戦争には軍事を正当化する、口実が必要だ。
「 沖縄奪還」は、立派にその旗印の役割をはたす。
 琉球解放の掛け声とともに、人民解放軍はやがて日本の国土を踏み荒らすのだ。

     *

 もちろん彼らもまだ・・、表立ってはそれを口にしていない。
 尖閣(沖縄県)占領は足がかりにはなっても、まだそれから先の進攻は、実行に移されてはいない。
 だがそれは、あくまでアメリカに遠慮すればこそだ。

 沖縄はもちろん、日米安保の対象だ。そればかりか現に米軍が進駐して、西に睨みを利かせている。
 その威光を恐れて、これまでは手を出せずにいた。だがこれからは、もう違う。

 トランプ新大統領は、在日米軍の撤退を言い出す。さもなければ防衛費を肩代わりしろと、「ディール」を持ちかける。
 防衛増税がタブーとなった日本政府は、もはや打つ手はない。
 そのとき沖縄防衛に空白が生まれるのを、中国は虎視眈々と狙っているのだ。

     *

 もちろん台湾併合の方が、順番が先だ。だからあと、10年の猶予はあるだろう。
 だが一旦火ぶたが切られたら、日本はひとたまりもない。

 核兵器を備え、宇宙にロケットを飛ばす中国軍の前に、自衛隊の戦力なんておもちゃの兵隊ごっこと変らない。
 憲法九条にすがっても、雨ごいの儀式ほどの効力もない。

 そしてもし、そうして結果が明らかだとしたら。もういっそのこと、沖縄を手放したらどうだろう。
 戦火が開く前に、最初から――こちらから沖縄返還を申し出たらどうだろう。
 そうして中国のご機嫌を取ることで、本土に累が及ぶことだけは、何とか避けることができるかもしれない。……

     *

 沖縄の人たちを切り捨てる気か? って義憤に駆られる人もいるかもしれない。
 だがちょっと待てよ。

 彼らはこれまでずっと、米軍は沖縄から出ていけ、と叫んできた。
 日本の防衛のために、自分たちが犠牲となっている。基地の偏在は不当だ、と訴えてきた。
 その沖縄こそが、紛争の最前線であることをすっかり忘れ果てて。

 だとしたら結果がどうなったって、自業自得なんじゃないの?
 そもそも歴代の、沖縄の政治のエスタブリッシュメントは、中国の回し者みたいな連中ばかりだった。工作員かよ、と疑われた。
 沖縄が目論見通り中国領になれば、ヤツらは「お手柄だ」って習近平に褒められて、共産党の幹部にでも取り立ててもらえるんじゃないのかな。――

     *

 と例によって、暴言癖のある知人がわめいてました。

 いけませんねえ、そんなトンデモナイことを言っちゃあ。

 もっと常識人らしく、ちゃんと世の中に合わせて生きないと。友だちが一人もいない、みじめな老後を過ごすことになりますよ(笑) 

コメント

タイトルとURLをコピーしました