ドーピング大国が狙う「次の一手」

 まるでイマネ・ケリフの問題に、決着が付いたかのようなムードである。(注)

 彼女の女性としての人権を、侵害してはならない。
 国際ボクシング協会(IBA)が行ったという検査は、かなり怪しげなものであり、どうやらIOCの判断の方が正しいらしい――とみんな思い込んでいるようだ。

 だがしかし「IOCの判断」とは「IOCの検査」ではない。
 IOCは何ら、独自の検査など行っていない。ただ「パスポート上の性別を出場資格と認める」というだけのことなのだ。
 そしてパスポートの――戸籍上の性別なら、出生届の書類一枚で決まる。いくらでも操作は可能なはずだ。

 このことに、某ドーピング大国が目を付けた。
――これからは「戸籍ドーピング」の時代だ!
と。

     *

「性分化疾患」というものがある。(注)
 外形的に男女の区別が付かない。そればかりではない。ときには複数の検査を行っても、結論が出ない。そういう状態の赤ん坊が、一定数生まれてくるものなのだ。
 それでも戸籍上は、男女どちらかで登録しなくてはならない。その決定はこれまでは、担当の医師の判断に任されてきた。

 医師の判断だから科学的だ、と勘違いしてはならない。科学的な検査で結論が出ていないわけだから、その後の「医師の判断」とは、もう単なる「主観」にすぎない。
 どっちだかよくわからないから、テキトーに書いておこう。頭の中でサイコロを振って決めてしまえばいい、というわけなのだ。

 サイコロで決めれば当然、男女の数は統計的に均等になる。つまりは性分化疾患の乳児は、これまでは実に都合よく、男女に振り分けられていたわけだ。

     *

 このことに、某ドーピング大国が目を付けた。
――これからは「戸籍ドーピング」の時代だ!
と。

 つまりは出生時の男女の登録に、国家が組織的に介入する。
 性分化疾患の子供が生まれたら、すべて「女」として登録するように、医師たちを誘導するのだ。
 いや別に、疾患はなくてもいい。ふつうの男の子でも、何人かは女に混ぜちまってもわかりゃしないさ。……

 何のためかは、もはやおわかりだろう。
「彼女」たちを特別プログラムで育成して、アスリートに仕立て上げる。
 オリンピックの女子種目に、大挙して送り込むのだ。
 戸籍もパスポートも女性である。「女性として性を受け、女性として育ってきた」のだから、何の問題もない。

 結果は火を見るよりも明らかだ。
 ここでもまた「オトコオンナ」たちが、女子選手をボコボコにする。
 金メダルはロシアと中国が(笑)独占してしまう。――

    *

――そんなディストピアな物語を、またしても思いついちゃったので、ちょいと書いてみたわけである(笑)

              **

 追加でディストピア篇をもう一つ。

<ワクチン停戦>

 ガザの戦闘地帯で、イスラエルとハマスが一時停戦に合意した。(注)
 国連機関がポリオのワクチン接種を実施するためである。

 ガザの将来を担う子供たちを、感染症で亡くしてはならない。身心を損なってはならない、と強く要請されていたものだ。
 2週間にわたる医療班の活動が、先日完了した。55万人の子供たちに予防接種を行うことができた。

 喜び勇んだ国連職員が、思わずつぶやいたそうな。
――さあ、接種は完了しました。 ワクチン停戦は終わりです。
 また明日からは、どんどん人殺しに励んでください。……

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