人種差別は大きな社会問題である。何とかしなくてはいけない。
だがそれは、人種差別をなくすということじゃない。その逆だ。
白人という劣った人種を、そうでないオレたちみんなで差別すべきなんだ。
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かつて白人たちは、有色人種を差別してきた。黒人は人間以下の存在だと決めつけて。
だがもちろん、そんな彼らの主張には科学的な――客観的な根拠も何もない。間違った、ただの偏見だった。
あってはならない、いわれなき差別だった。そんな不正義の歴史が、糾弾されるのは当然だろう。
だがオレたちのする、今度の差別はそうではない。有色人種の白人に対する差別には、ちゃんと立派な根拠がある
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白人たちは何世紀にもわたって、黒人は劣っていると誤認し、不当な差別を続けてきた。
それはなぜか?
彼らは頭が悪いからである。愚にもつかない勘違いを、いつまでも続けたのは低能だからだ。白人こそが科学的思考力に欠損のある、よにも愚鈍な人種だった。
そのうえ道理も人道もわきまえぬ、残忍で粗暴な動物だった。
つまりは他ならぬ、いわれなき黒人差別の歴史が、白色人種の劣等を証しているのだ。
白人こそが人間以下の人種である。――それは歴史が証した事実だった。
だとしたらそんな劣った存在に、そのようなものとして対処するのは当然だろう。
劣っているんだから、いわば差別されるのは当たり前なのだ。
つまりはオレたちのする今度の差別には、――有色人種の白人に対する差別には、ちゃんとした根拠がある。
あちらには正義はなかったが、こちらのそれには正義がある。
それは「差別」ではない。こわれ物をちゃんとこわれ物として扱う、実に正当な「区別」なのだ。
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だから白色人種を見かけたら、オレたちみんなで石を投げよう。
アホ面のドナルド・トランプと、それに輪をかけてアホ面な支持者たちを、この世から葬り去ろう。
”White Only” と書かれた、薄汚い公衆便所に閉じ込めて、彼らを一歩も外に出してはいけない。
白人の権利を謳った政治家は、すかさず暗殺しなくてはいけない。
北部のどこかの木にも、白い奇妙な果実(注)を吊るって、見世物にしよう。
それはけっして、不当な虐待ではない。かつてやられた者たちがやり返す、至極当然な、神の正義の配剤なのだ。――
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