「無効票」「棄権」は民主主義への冒瀆か

 総選挙が終わり、国会で首相指名選挙が行われた。
 衆院は当然、高市早苗一択だった。だが参院は、自民がまだ少数与党だから、2回目の決選投票にもつれこんだ。

 結局高市が選ばれたが、そこで物議をかもす事態が起きた。
 野党から無効票が48、白票が8票も出たのだ。

 それを知ったネットが非難沸騰した。(注)
「良識的な大人のやることではない」「有権者をバカにしている」
と、当該議員をあぶり出して、吊るし上げんばかりの勢いである。

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 だがしかし、忘れてはならない。
「無効票」も「白票」も、――逆説的に言うなら「棄権」ですらも、実は立派な投票行動となりうるのだ。

 たとえば中国やロシアでも、選挙は行われる。
 だが野党の有力政治家は、選挙の前に濡れ衣を着せられて、投獄されてしまう。
 結局立候補できるのはプーチン本人と、到底当選の見込みがない名ばかりの「対抗馬」となる。
 そんなときににも、彼ら・・の中からちゃんと・・・・投票先を選ぶのが、本当に有権者の義務なのだろうか。

 所与の状況で、そのシステムに基づいて投票する――正常な場合であれば、確かにそれが当たり前だ。
 だが前提となるシステムそのものに、疑念があるとき。棄権という形で物申すことも、立派な意見表明となりうるのではないか?
 投票すること自体が、状況の是認につながるとしたなら、きっとそうなのにちがいない。

     *

 頭の悪い下級国民は、どうしても物事を単純化しようとする。
 世の中には白と黒しかない、と考える。
 その中間に無限のグラデーションがあって、無効票の投票もありうる、とは理解できない。

 あるいは彼らの本音は、きっとこうだ。
 せっかくみんなが「サナエ(早苗)・チャチャチャ」(注)で盛り上がっているときに、水を差すな。
 
 新しい「総統」を、総立ちの国民がハイル(heil)で迎える式典が見たかった。それなのに、野党のクズどもが台無しにしてしまった
 それがくやしくて、ああやって怒り狂っているわけだ。 

 それはまるで、オリンピックの表彰台のてっぺんに、彼らの大好きな「日本」が上がりそこなったかのようにね(笑)

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<賢者の忠言――「中道改革」篇>

「中道改革」が大敗して、ネットではひたすら嘲笑のネタになっている。
 内部でもゴタゴタが始まって、もう解党してしまえという声も起きる。

 だがそれは、違うと思う。
 選挙目当ての野合だ、という批判が敗因だったのに、ここでやめてしまっては「やっぱり選挙目当てだった」ということになってしまう。

 反自民の受け皿になる、という戦略が裏目に出た。今回は高市旋風にやられて、「おこぼれ」が頂戴できなかった。逆に受け皿の方から、みんな蒸発していってしまった(笑)
 だけどハッタリだけの高市の、支持率なんてそう長くは持たない。そのときに今度こそ、大量に発生した反自民の受け皿が、やっぱり必要だろう。

 ここは踏ん張りの一手だ。
 別に自分は、立憲の支持者でもなんでもない。ただ論理的には、そういうことになる。その一点を、指摘しておきたいだけだ。――

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<物は言いよう>

「混ぜ物をする」だと聞こえが悪いが、「ブレンドする」と言うと、とたんにステージ・アップの印象になる。

 いつも飲んでいる安物の焼酎の、キャッチコピーが「こだわりのブレンド」だ。 
 乙類の本格焼酎と甲類(注)を混ぜているらしい。

 純正品だと高くつくが、まがいものを混入させれば安く上がる。――ただそれだけのことだと思うのだが。……

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