<大谷翔平は両刀遣い>
「二刀流」と言うとカッコがいいが、「両刀遣い」と言うと、途端にいかがわしい響きを帯びてくる。(注)
辞書的には本来、両者はあくまで同意語だ。
だから大谷翔平は、まぎれもなく両刀遣いである。
それはそれで、嘘偽りのない記述なのだが(笑)――
**
<「条件反射」の世にも情けない実例>
心理学に「条件付け」という用語がある。
たとえばベルの音を鳴らしてから、犬にエサを与える。
それを毎日繰り返すうちに、犬の頭の中で「ベル」と「ご馳走」が結びつく。
するといつしか、ベルの音を聞いただけで、犬がよだれを垂らすようになる。
(有名な「パブロフの犬」の実験)
「ベルの音がする」という一定の条件のもとで、「よだれが垂れる」という反応が起きる。
そうなるように犬を「条件付ける」。
この反応のことを「条件反応」、あるいは「条件反射」と呼ぶわけだ。
*
ある知人が、歯の治療に通うことになった。
ご存じのように、治療は痛みと恐怖を伴う。少なくともストレスを感じる。
知人はこれを回避するために――軽減するために、名案を思いついた。
治療中に、過去の楽しかったエッチのことを思い出すのだ(笑)
エロいことを考えるわけだから、股間がむずむずしてくる。
歯科助手に悟られないように、必死に勃起をがまんする。
そんなことをしているうちに、辛いはずの治療はいつのまにか終了している。
まあいわば「気を紛らす」ことに成功したわけだ。
*
作戦は見事に功を奏した。
だがそこに、例の「条件付け」が起こってしまった。
それ以来、歯医者の前を通って、あのドリルの「キー」音を聞くたびに股間が勃起する。もはや歯科助手もいないので、心おきなく興奮することができる。
そんな世にも情けない男に、なり下がってしまった(笑)――
**
<新ことわざ集>
1.捨てる神もあれば拾う神もあり → 捨てる神もあれば踏みつける神もあり(つまりはいつだって踏んだり蹴ったりだ、ということだ)
2.人生七転び八起 → 人生七転八倒(のたうち回ってもだえ苦しむ一生だって、けっして珍しいものではない)
3.日はまた昇る → 日はまた沈む(しばしばそんな物事の裏側の方に、より多くの真実が含まれているものである)
**
<看板に偽りあり>
『不動産広告の場合』
――セントラルヒーティング完備だというので行ってみたら、部屋の真ん中に炬燵が置いてあった。……
――駅から徒歩二十分というので行ってみたら、競歩の選手が測っていた。……
『求人広告の場合』
――フロアレディ募集というので行ってみたら、モップを持って床の掃除をさせられた。……
『人事募集の場合』
――なかなかの切れ者だというので採用したら、プッツンと切れる男だった。……
『モデルの場合』
――妖しい魅力の持ち主というので採用したら、ただの妖怪女だった。
**
<大船>
「大船に乗ったつもりでいてください」というのは、勧誘の常套句である。
そんな甘言に乗せられて、虎の子の貯金を注ぎ込んだ儲け話は、たいていきまってお釈迦(おしゃか)になる。
「大船に乗ったつもりで」――だとしたらそんな台詞を耳にしたときには。誰もがすべからく、あの二十世紀最大の客船に起こった悲劇を思い出して、心してほしい。
いわく、
――大船に 乗ったつもりが タイタニック。……
コメント