12歳のタイの少女が、文京区の個室マッサージ店に監禁され、性的サービスを強いられていた。――ちょっと前にそんな事件が報道された。(注)
ネットでは例によって、頭の悪いオバちゃんたちが噛みついていた。なんで買春をした客が罰せられないのか。女性差別もはなはだしい、と。
馬鹿の相手をするのも疲れるので、箇条書きの反論だけを並べておこう。
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そもそもオバちゃんたちには、物事の本質が見えていない。
今回の事件のおぞましさは「売春」とは何の関係もない。
たとえば12歳の少年が誘拐されて、どこかの炭鉱で低賃金でこき使われたとする。
けしからん、と誰もが怒るが、「炭鉱を廃止しろ」という話にはならない。
問題はあくまで、人身売買と奴隷労働にある。その種類が「炭鉱」なのか「売春」なのかは、議論の本質ではないはずだ。
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売春をした女ばかりが処罰されて、買った男が罰せられないのは女性差別だ――というのはまったくの事実誤認である。
たとえばときどき、ソープランドが摘発をくらうことがある。
そのとき客となった男性は、確かに逮捕されない。だがそれを言うなら、体を売ったソープ嬢の側も処罰されない。完全な男女平等が確保されている。
つまりは売春は、いわゆる「罰則のない犯罪」の一つだ。「みっともないから、あまりやらないでおきましょうね」と諭しているだけで、厳罰で取り締まるような種類のものではないのだ。
逮捕されるのは、ソープランドの経営者だ。
「管理売春(≒売春宿をビジネスとして手広く経営すること)」の方は、あくまで通常の犯罪として扱われるのである。
(参考過去投稿:<立ちんぼ> なぜ売春の相手方の男性は処罰されないのか)
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世界の半数の国で、売春は合法である。
つまりはそれは、人倫にもとるような普遍的な罪ではない。単なる慣習上の、あるいは宗教的なタブーであるにすぎない。
日本でも元来、売春は罪ではなかった。
ただ文明開化時に、英米の社会習慣に合わせる必要が生じた。野蛮な未開国と思われないように、あわてて体裁をつくろった。
「みっともないから、もうチョンマゲはやめておきましょう」というのと同じ流れで。売春も一応控えよう、となっただけなのだ。
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売春が女性差別と結びつくのは、単に過去の歴史のなりゆきにすぎない。
その本質において、両者は無関係である。
社会的にも経済的にも女性が男性と対等な、理想の社会ができたら。
そのときは女性もまた男性を「買って」、性を謳歌すればいいだけの話なのだ。
(参考過去投稿:売春ノススメ)
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オバちゃんたちは、また勘違いしている。
今回の事件で、少女を買った客は「お咎めなし」になったわけではない。
単に捜査上の問題だ。客の身元が割り出せない。あるいは証拠が見つからないのかもしれない。
性的なサービスを受けた個人がもし特定できれば、当然逮捕される。
売春かどうかは関係ない。少女自身が望んでいたとしてもアウトである。
16歳未満の子どもに対するわいせつは、性虐待に該当する。すべからく「不同意わいせつ罪」として処罰されるからである。(注)――
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