国のお金が足りないならお札を刷ればいいじゃあないか(2)

前回から続く)

 ヤツらはまた言う。
 日本は緊縮財政を続けてきたから、いつまでも景気がよくならないと。
 借金をして財政出動をすれば、経済が上向いて税収が増える。それで借金が返せると。

 それもまた、嘘っぱちである。
 今やわが国の借金は1000兆円を超え、GDP比で248%。2位のイタリア(138%)以下の2倍近い。断トツというよりは、目のくらむような数字なのである。


 いわば日本はこれまでずっと、放漫財政(ヤツらの言うところの「積極財政」)を続けてきた。
 だが財政出動は、期待ほどの効果は上げなかった。
 景気は上向いたが、現状程度までだった。税収は増えたが、借金の増加にまったく追いついていない。
 バラマキは完全に裏目に出たのである。

 上記のデータにある通り、日本の数字だけが突出している。
 日本だけが異常値を示すとき、可能性は2つある。日本だけが正しいのか、それとも日本だけが間違っているか。
 そのどちらであるのかは、普通に考えたらわかるだろう。

     *

 天文学的な借金を前にして、良識ある施策者はさすがに「もう無理」となった。そろそろバラマキにストップをかけようとしている。――それが現状の正しい理解である。
 ところがヤツらときたら、当たり前な物の道理が理解できない。税収の不足は国債で埋めろとワメく。 
 借金取りが来たら、また別のところで借金して返せばいい、と本気で信じている。

 そんなことが、いつまでも続くはずはない。
 だが愚昧な人間は、おめでたい楽観にすがる。信じたいことを信じる。その方が都合がいいからだ。
 同じメンタリティーで、先の大戦で日本は破滅へと突き進んだ。
 かなうはずのない強敵に戦を挑んだ。短期決戦に持ち込めば勝機はある。神風が吹くにちがいない、という甘言にすっかりと乗せられて。

 今度もまた日本は、破滅へ向かってまっしぐらだ。
 だがヤツらは、別にそれでもいいんだ。ヤツらの目的は大衆をたばかって、とりあえず目の前の選挙に勝つことだ。
 その先の未来のことなんか、知ったこっちゃない。あとは野となれ山となれと、きっとうそぶいているにちがいない。――

              **

<補説> 通貨量が増えると物価は上がる

 たとえば国民全員の月給が、50万円だったとする。
 そこに人気の家電が売り出される。給料を全部はたいても買う価値がある、とみんなが考えた。だから値段は50万円となった。

 そのときまた「〇〇ノミクス」が始まって、日銀がお札を刷ってバラまいた。みんなの給料は100万円になった。
 懐が豊かになって、みんなが家電を奪い合う。 月給全部をはたいても買う価値があるわけだから、値段は100万円につり上がる。

――かくしてお金の流通量が増えると、物価が上がるのです。
 もはや50万円出しても買えないわけですから、お金の価値は半分に下がりました。「円が安くなった」ということです。

 金価格が高騰している、などとニュースになる。
 特に何の役にも立たなさそうなこの鉱物に、それほどの値打ちがあるのは、単にそれが希少なものだからだ。
 現段階で掘り出された金の量は、世界中合わせてもプール4杯分しかないという。レアだから貴重とされるのだ。

 逆にもし、金がその辺に石ころのように転がっていたら、もはや何の価値もない。
「オレは金1キロ持っている」なんて胸を張っても、自慢にもならない。ただ嘲笑われるだけである。

「お金」についても同じことだ。お札の流通量が今の100倍に増えたら、その価値は100分の1になる
 一万円札ではもはや何も買えない。何のありがたみもなくなってしまうのだ。



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