誰も気づかない最大の女性差別

<最大の性差別語>

「女医」という言葉はけしからん。
「男医」とは言わないのに、女の場合だけことさら性別を付加する。そんな表現の根底には、医者は本来男がやるものだというジェンダー・バイアスがある。
 女の社会進出を阻んでいた、古い世界観である。

「女優」もまた同様である。まれに「男優」と呼ばれるのは、女が主役のアダルトビデオで、脇役をつとめる相手役だけだ。

 今話題の「女子アナ」もしかり。「アナウンサー」とは違う特異な職業だということを、――「喜び組」としての性格を併せ持つ、ホステス的な存在であることを暗に示唆しているわけだ。 

     *

 と、フェミニストのオバちゃんたちは、しきりにイチャモンをつける。 
 ご指摘はごもっともである。
 だが実は彼らが見落としている、最大の差別語がある。それが「女神」だ。

 上記と同じ理屈だ。こんな言葉が成立する前提には、神は元来男性であるという、得体の知れない思い込みがある。
 噴飯ものである。神が男性器をぶら下げているわけはない。長いひげを蓄えているなんて、ありえない。
 それなのに過去の男性優位社会を勝手に投影して、「神=男」であると決めつけている。「天なるわが父(Father)」と呼びかけさえするのだ。

 何しろ神と言えば、全知全能だ。宇宙で一番偉い創造主だ。
 それが女性でなく男性だ、と言うのだから、その女性差別たるや「女医」や「女優」の比ではないだろう。

     *

 こんな最大の侮辱に、フェミニストのオバちゃんたちはどうして気がつかないのか?
 怒りの声を上げないのか。

 あれは「自由の女神」ではない。「自由の神」と訳すべきだと、どうして噛みつかないのか?

 それはやっぱり彼らが――女がバカだからでしょう。
 と思ってしまうのは、はたしてこのオレだけだろうか(笑)

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<「大学全入」の本当の意味>

 この間、朝日新聞の投書欄を見ていて驚いた。
 子ども四人を大学に通わせている、という主婦が家計の苦しさを嘆いていた。昨今の物価高と、政府の施策を批判していた。

 呆れて物も言えない。
 義務教育は中学校までだ。高校はともかく、大学まで行くというのは基本「ぜいたく」に分類される。
 それを四人ともなんて、金が足りなくなるのは当たり前だろう。

 まるで「国民全員が豪邸に住めないのはけしからん」と、お上に噛みついているようなものだ。勘違いもはなはだしい。
 別に自民党の肩を持つわけではないが、こんな低能な連中の相手をしなければならないんだから、政府もたまったもんではない。
 またそれを「国民の声」として紹介している、新聞も新聞だろう。

     *

 少子化の影響で定員割れの大学が続出し、「大学全入」の時代が来たと言われる。
 だがそれはあくまで学力の話であって、経済力の問題は別だ。
 十分すぎるお金の余裕がなければ、大学には通えない。通うべきでもないし、その必要もない。

 戦前の大学進学率は、1割に届かなかった。1980年代ですら3割強であった。
 選抜試験に通らなかったわけではない。一部の金持ち以外、大学に進めなかった。高卒で働く方が、むしろ当たり前だったわけだ。

 1980年代に比べて、今の日本が豊かになった、という事実はない。
 だとしたら、国民全員が大学に進めないのは当たり前で、けっして政府の失策ゆえではないのだ。

     *

 日本が豊かな国だと思えた時代もあった。だがすべては、虚妄の繁栄であった。
 バブルが夢のまた夢であったことは、いまさら論じるまでもない。
 だがそれ以外の好景気も、似たり寄ったりだった。

 政府は世界断トツ1位の借金(国債発行残高)を積み上げて、金をバラマキ続けた。
 その結果国民が豊かになったとしても、それでは借金で豪遊をしたのと変らない。

 GDPの5%であるはずの防衛費を、在日米軍に肩代わりさせた。そうして浮いた金を、これまたばらまいた。
 つまりはアメリカから盗んだ金で、豪遊を重ねていたわけだ。

 そんな欺瞞は、どちらももはや持続不可能になった。だから日本は、その本来の実力に立ち戻った。
 ただそれだけのことだ。
 われわれが貧しくなったわけではない。過去の豊かさの方が、いわば奇術で見せられた幻影であり、今のこの姿こそが本物の現実なのだ。

     *

 GNP世界第二位なんて、もはや二度とありえない。

 この厳酷な真実をしっかり見つめて、地に足をつけて――言葉は悪いが「身の程をわきまえて」、みんな暮らしていくべきなんだと思うよ。

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<時代の嘘――私たちはどんな夢から覚めるのか>

 終戦(1945)を境に、価値観が180度変った。

 天皇陛下のために死せ、と教えていた教師たちが、とたんに民主主義を説き始めた。

 いわば時代そのものが、悪い夢から覚めたのだ。――

     *

 1960年代には知識人の過半が、マルクスを信奉した。熱に浮かされたように、革命を語った。

 だが今では、それも過去のことだ。昔は共産主義者でしたなんて、恥ずかしくってもはや誰も言えはしない。

 つまりはここでもまた、やはり魔法が解けたのだ。  

     * 

 だとしたら今度は――私たちのこの時代は、一体どんな夢からさめるのだろう? 

 私たちをたぶらかすもの。そしてその最中さなかにはけっして気づかないもの。

 そんな悪魔の洗脳を、どうやったら再び解くことができるのだろう。――

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