上級国民に対するルサンチマン(注)に突き動かされて、夜な夜なネットニュースを見張る。
彼らのヘマや不謹慎を見つけようものなら、まるで民衆蜂起みたいにみんなで騒ぎ立てる。
雲の上のヤツらを何とか地べたに引きずりおろして、土下座させなければ気がすまない。
そんな下級国民の有象無象が、今度もまた絶好のネタを見つけたようだ。
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なんでもある「やんごとなきお方」(17才)が、東大への進学を希望しているらしい。
だが高校での「異例の成績」(笑)を考えると、一般入試では到底合格できない。(注)
そこで抜け道として、「推薦入学」が検討されているというのだ。
高名な生物学の権威を、チューターにつけた。トンボの生態についての論文を仕上げ、学会で発表させた。その実績をもって、推薦を勝ち取ろうという魂胆らしい。
だがそこで、すかさずイチャモンがついた。
そんな上級国民の特権を、振りかざすのはけしからん。オレたち下々の人間と同じように、ちゃんと一般入試で討ち死にすべきだ、と。
何でも、推薦入学に反対する署名も、続々集まっているらしい。(注)
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だがしかし、――
そもそも現憲法下で、皇族は「国民」として定義されていない。まったく別枠の存在である。
上級国民ですらないのだから、「同じ国民なのだから同じようにふるまうべきだ」という理屈は成立しない。
そのうえ今回は、将来天皇になろうともいう若者だ。「日本国民の象徴」たるからには、それなりの品位と格が求められる。
「異例の成績」だから「異例の大学(笑)」に行けばいい、というわけにはいかない。
それはちょうどジーパンにサンダル履きで、公務に就くのがふさわしくないのと同じように。――
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もとより皇室は、象徴天皇制が定めた特例的存在だ。
生活費(年間約3億円)も住居費も国家持ちで、優雅な生活を保証されている。経済的な部分だけを取り上げるなら、まぎれもない特権身分なのだ。
そのことを差し置いて、大学入学の件だけをことさらにあげつらうのは、見当外れとしか言いようがない。
つまりは「ずるい」のは、東大の推薦入学ではない。その前提である象徴天皇制自体が、ありうべからざる詐術と欺瞞に満ち満ちている。
その件については、かつて紙数を尽くして議論したので、ぜひ過去投稿を参照してほしい。
天皇はうやまわない
ワイドショーが天皇制をつなぎとめる
やんごとなき奴隷たち
おいたわしや、眞子さま
いつしか不可侵のタブーとなって、誰も疑問をさしはさまなくなったこのシステムを、あらためて議論の俎上に載せなくてはいけない。
署名運動が必要だとしたら、何よりもまずそちらの、憲法改正の方なのである。
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もっともネットにとぐろを巻く、下級国民は概して頭が悪い。
枝葉末節に拘泥するばかりで、物事の本質を見抜くことはできない。
国体についての知的議論なんて、もとより望むべくもないのかもしれない。
このままでは「異例の成績のお方」を、「異例の成績の国民」が象徴に戴く――なんて事態にもなりかねない。
そんなあまりにも、ブラックジョークな未来の招来を、心底より危惧する者である(笑)
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<追記>
小泉進次郎が、秋篠宮家にアドバイスしたそうな。
――いったん関東学院大学を卒業してから、コロンビア大学大学院に進む、という手もあります。
そうやって、いったん学歴ロンダリング(注)をしてしまえば、過去の不成績が蒸し返されることも普通はありません。……
確かに、その通り。
もっとも、そのあと国会議員にでもなって、よほどマヌケな発言を連発しなければの話だが(笑)――
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